SUPERNOVA・ユナク、CHEMISTRY・堂珍嘉邦、演出家・ヨリコ・ジュン 舞台「殺人の告白」にかける思い
2022年6月17日(金)~26日(日)サンシャイン劇場にて上演する、舞台『殺人の告白』。
本公演は映画「殺人の告白」の初舞台化作品。映画「殺人の告白」は、新鋭チョン・ビョンギル監督が、韓国史上最悪の連続殺人事件とも言われている実際に起きた「華城(ファソン)連続殺人事件」からインスピレーションを得て描いたサスペンス作品。時効成立後、突然自らの罪を告白し世間の注目を集める容姿端麗な連続殺人犯と、事件を執拗に追う刑事、そして愛する人を失った残された者たち、それぞれの思惑がぶつかり、国を揺るがす犯罪ショーへと発展する。
今回、主演・連続殺人犯イ・ドゥソク役を務めるSUPERNOVA(超新星)のユナクさん、ドゥソクを追う刑事チェ・ヒョング役の堂珍嘉邦(CHEMISTRY)さん、そして脚本・演出・映像を務めるヨリコ・ジュンさんにお話しをうかがいました。Q.堂珍さん、ユナクさんにとっては初めてのストレートプレイとなりますがいかがですか?
ユナク「韓国ではやったことがあるんですが、日本では初めてなので、僕的にはすごく楽しみです。初めてということと、堂珍さんと一緒にできるということがとても嬉しくて。だから完璧というより、お客様に満足してもらえるようなお芝居と全体的なステージを見せられたらと思っているので、スタッフを信じて頑張っていきたいです。」
堂珍「今回刑事の役なんですが、チェ・ヒョングは、事件を解決するだけじゃなく自分の婚約者が殺害された被害者側でもあるので、事件を解決するために執念を持って挑んでいかなきゃいけないところでもとてもエネルギーを使うと思います。ヨリコさんとも少しお話しをさせていただいたんですが、いろんなことは稽古の段階で共演者の皆さんと一緒に作っていけたらなと思っています。」
Q.韓国で大ヒットした作品の舞台化となりますが、脚本・演出を担当するにあたってのポイントなどあれば教えてください。
ヨリコ「もともとこの作品が大好きで、以前、同じ事件をオマージュした映画『殺人の追憶』を舞台化した舞台『私に会いに来て』(2019年)の演出をさせてもらったんですけど、実際にあった事件をもとにしているというところがみそなんですよね。舞台やエンタメで表現するということはもちろんフィクションなんですけど、実際にその体験をしている人たちを描いているものを、ただ怖いものとして見せようとは思っていなくて。“なぜその人たちがそうなってしまったのか”や、“悲惨な事件を起こした犯人に対する被害者の復習や恨む気持ちというのは誰にでも起こりえるんだよ”とか、“家族を守るってこういうことなんじゃない?”というような、いろいろなことを思ってもらえたらいいなと思っているので、そのあたりを重点的に表現できればと思っています。」
Q.ユナクさんと堂珍さんに期待することは?
ヨリコ「普段俳優さんだけをやっている人たちとこの作品を表現するというよりも、他の分野で活躍をしている人たちとお芝居を作るということで、ストレートプレイに偏らずに見せられるんじゃないかなという期待は持っています。」
Q.技巧に寄らないということでしょうか?
ヨリコ「そうですね。表現方法が僕は僕で学んできたものもあるし、堂珍さんやユナクさんもそれぞれの分野で活躍されている。ユナクさんは特にご自身で演出もされると思うので、そういうところが垣根を超えて、稽古場で意見を言い合いながら出来そうな気がするんですよね。全く同じ分野にいるとそれぞれのモチベーションやプライドがぶつかり合うこともあると思うんですけど、わりとそこがなく楽しくできるんじゃないかなと思っています。」
Q.プロットを読まれていかがでしたか?
ユナク「今回、僕がずっと望んでいた悪い役を初めてやるんですね。イ・ドゥソクは、結局は悪い人ではないんですけど、まずそれだけですごく嬉しくて(笑)。あとは、後半まで持って行く空気を、堂珍さんとどうやって作っていくかという楽しみ半分、不安半分という気持ちで読みました。」
堂珍「この映画を最初に観た時に、エンディングが決して気持ちの良いものではなかったので、そこを舞台では、どこに主軸を置いて観た人が腑に落ちるという・・・落ちなくてもいいんですけど、そうするために全力を注ぎたいなと思います。あと、先ほどヨリコさんとお話をさせていただいてより思ったことなんですけど、ヒョングという役は、被害者の皆さんの気持ちを最後に自分が行動に移すという・・皆の手を汚さないという役どころなので、非常に重たいなと・・。なので、そこをちゃんと自分の中でプレッシャーが掛かってくるようにしたいと思っていますし、そうするためにはどうしたらいいだろうということを考えたりもしています。」
Q.ヨリコ演出ということで、映像での演出も期待をしてしまいますが、現段階で構成があればお伺いさせてください。
ヨリコ「基本的には原作をリスペクトしているので、あまり内容を変えようとは思ってないんですよね。ただ、舞台での表現というのはやっぱり限られるので、それを逆手に取るという言い方はあれですけど、“舞台ではこういう風に描いたんだ“みたいなことはしたいなと思っているので、そこで映像という、いつもやっている手法は取り入れようとは思ってはいます。たぶん今お聞きしたい部分は、”あのカーチェイスはどうするんだよ”というところだと思うんですけど(笑)、まあ、皆さんも気になっていると思うんですけど、そこはギリギリまで考えようと思っています。ただ、この作品を選んだ理由とか、この作品で堂珍さんやユナクさんにやってもらいたいことってそこではないですし、それを楽しみに来る人はまずいないと思うんですが、作品のファンの方もいらっしゃるかもしれない・・という意味では、何かの手法で映像は上手く使っていこうというのは考えています。」
Q.殺人犯やその被害者といった重い役を演じられますが、役に引きずられることはあるんでしょうか。
堂珍「これまでの役でも引きずるということはあったと思うんですけど、いい意味で、日常にライトに取り入れて楽しんじゃっている方なので、そこは自然に任せてという感じですかね。自然に抜ける時は抜けるし。ただ稽古から千穐楽を抜けるまでは恐らくそのモードに入っていると思います。」
ユナク「僕は結構集中したいタイプなので、今も殺人系のスリラー映画しか観てないんですよね。資料もすごく探すし、映画や実話をもとにした本を結構読んでいます。それで切り替えをどうするかということを自分の中で考えて作るタイプなんですけど、でも今回に関しては、心の準備と自分で今まで得た情報はメモリーだけにして、ヨリコさんに任せてそこからの“悪”、自分なりの”悪”を表現したいと思っています。」
Q.ヨリコさんから「原作をリスペクトしている」というお話もありましたが、どういったところに魅力を感じていらっしゃるんでしょうか?
ヨリコ「殺人鬼をヒーローにした映画ってあると思うんですけど、そうじゃないところがまずひとつあります。殺人者を美化して“殺人犯の気持ちって分からなくないよね”っていう作品もあると思うんですけど、『殺人の追憶』や『殺人の告白』はそうじゃなくて。特に『殺人の追憶』は、上映されていた時はまだ犯人が捕まってないなかったので、被害者の遺族たちはどういう気持ちでいるのかをすごく描かれていたので、そういうところからのリスペクトもあります。」
Q.役者としてのお互いの魅力について
ユナク「僕が見ている堂珍さんは、流れに身を任せているような感じがすごくします。例えば堂珍さんが風邪を引きました。そしたら『REMT』のロジャーだったら風邪を引いたロジャーを演じてくれるような感じがするんです。だからその日その日によってロジャーが変わるというのがすごく魅力的だったんですよね。それってその日のコンディションやテンションによっても変わると思うし、堂珍さんの気持ちによっても変わると思うんですけど、毎日違う何かを必ず表現してくれるっていう、ライブ感があるんです。そこが僕的にはすごく魅力的でした。“こういう表現ができるんだ”“ここでこういう芝居ができるんだ”ということが、僕は『RENT』を観てずっと思っていました。」
堂珍「ありがとうございます(笑)。僕は誤魔化すのが得意なだけなので(笑)。」
ユナク「いえいえ(笑)。」
堂珍「ユナクのお芝居は、ロジャーのお芝居しか観たことがないので、アーティストとしてステージの上でパフォーマンスをやっているユナクから読み取ることしかできないんですけど、実はいろんな役になれるんだなって一番思ったことかもしれません。あと目的のためには揺るがないという、すごく一本気な情熱を感じました。」
お客様へのメッセージをお願いいたします。
ユナク「日本でも韓国でも映画化されて、知っている方がたくさんいらっしゃると思うんですけど、その中で僕が演じるイ・ドゥソクという役はすごく大きな力を持っているので、舞台『殺人の告白』を楽しみに来てくれたお客さんのために、全力で、思いっきり、しっかりと作り上げたいと思います。そして、1回だけじゃなく何度も観たいと思ってもらえるような作品にしたいなと思っています。」
堂珍「”殺人”というキーワードを舞台の中でリアルにみせたいですね。だからヤバいものを観に来ちゃったなという風になったらいいし、それをひっくるめて楽しんでいただければいいなと思います。また登場人物たちそれぞれに背景があってのお話だと思うので、いろんな人の主観で見ても楽しいかもしれません。とにかく感情と感情のぶつかり合いが想定されますので、そういったエネルギッシュなものを楽しみに来てもらえたらいいかなと思います。」
ヨリコ「原作も素晴らしいですし、堂珍さん、ユナクさんを筆頭にいろんなジャンルの方々が集結しているところも見どころだと思います。作り手としては毎回100%、120%でやっているんですけど、今回もそれに劣らないようにと思っていますし、僕たちのエゴだけでじゃないものを作りたいなというのはすごく思います。とにかく僕が”ここがいいですよ”という言葉ではなく、大前提としてお金を払ってこれを観てよかったということは必ずクリアするように作っていきたいなと思っています。」
舞台「殺人の告白」は、2022年6月17日(金)~26日(日)サンシャイン劇場にて上演。公演チケットは、2022年5月7日(土)10:00より一般発売開始。取扱い:ぴあ イープラス ローソンチケット カンフェティ CNプレイガイド。チケット詳細は公式HPにて(http://s-kokuhaku-stage.com/)
公演概要
舞台「殺人の告白」
【出演】
イ・ドゥソグ/ユナク
チェ・ヒョング/堂珍嘉邦
グァンス/小南光司
チョン・スヨン/岡田夢以
カン・ドゥヒョク/日向野 祥
チョン・テソク/白又敦
チェ・ガンスク/加藤里保菜
チャン・ミジャ/大林素子
J/前川泰之
チョン・ウヌ/岡田浩暉
【原作】 Jung Byung-gil
【脚本・演出・映像】 ヨリコ・ジュン
【協力】 SHOW BOX
【日時/会場】 2022年6月17日(金)~26日(日) サンシャイン劇場
【チケット料金】 全席指定 9,900円(税込)
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
【チケット発売日】 3月22日(火)18:00~
【主催】 舞台「殺人の告白」製作委員会
【お問い合わせ】 サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
【公式HP】 http://s-kokuhaku-stage.com/
【公式Twitter】 @s_kokuhaku