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日生劇場開場60周年公演ラインナップ発表!宮本亞門ら日本を代表する演出家が登壇。

来年、開場60周年を迎える東京・有楽町の日生劇場で22日、記念の主催公演の発表会見が行われ、宮本亞門、栗山 民也、一色 隆司、山田 うん、髙部 尚子、粟國 淳氏の日本を代表する演出家6人が顔をそろえた。そして松山保臣日生劇場理事長も登壇し、各公演をアピールした。

栗山は「2か月くらい前ですか。ウクライナの劇場にミサイルが撃ち込まれました。ちょうどそのとき新宿の劇場でとある芝居の初日を迎えるところでした。ですが、私の頭の中はウクライナの劇場のことでいっぱいでした。劇場は人々が集い、人間について世界について考え学び、夢を見る場所だと思っておりました。劇場というのはどういう場所なのか。ずっと考えています。この機会を大切にしたいと思います」と自身の思いを語った。

会見では日生劇場60周年記念ロゴも発表され、日本の芸術文化の振興に寄与していきたいという決意を、同劇場の象徴の一つでもある劇場内のらせん階段と右肩上がりの「60」の数字でデザインした。

同劇場が、60周年を迎えるのを記念した主催公演のラインナップとロゴを発表。「NISSAY OPERA 2023」では、日本初演となる「メデア」を栗山民也氏が、53年ぶりのヴェルディ作品「マクベス」を粟國淳氏が、そして三島由紀夫原作のオペラ、ドイツ語版舞台上演として日本初演となる、東京二期会との共催公演「午後の曳航(えいこう)」を宮本亞門氏の演出で上演される。「日生劇場ファミリーフェスティヴァル2023」では初の舞台化となる音楽劇「精霊の守り人」を一色隆司氏が、人形劇「せかいいちのねこ」を山田うん氏が、改訂演出・振付で贈る谷桃子バレエ団「くるみ割り人形」を髙部尚子氏が担当し、3作品が上演される。

宮本氏は、「コロナ禍に加え、ウクライナで戦争が起きている。われわれは舞台をやる意味をずっと考えてきたが、舞台には喜びや生きる希望がある。だから、やる」と明言し、コロナ禍の演劇界について「多くの人が演劇から去っていっています。スタッフもキャストも、戻ってきません。ブロードウェーもそうです。大変な状態です。それでも舞台を続ける意味を、ますます自分に課せ、出演者やスタッフたちと最高のものを作っていきたい」と語った。また、演出を担当するオペラ「午後の曳航」について、「僕は(原作の)三島由紀夫が大好きです。三島さんの壮絶な生き方、オモテ・ウラを出すことなく露骨に全て、醜いものも美しいものも出していく姿に、僕はいつも勇気をもらっています」と思い入れを明かした。「内容はとても痛いし恐ろしいが、美しい」と語り、「いつかやりたかった午後の曳航がやっとできる事になり、興奮しております。うれしいです!そして来年の公演で、三島さんの思いを少しでも受け継ぐことが出来たらという思いです」と喜びを伝えた。

NISSAY OPERA 2023

オペラ『メデア』

日本初演、栗山氏の演出は50周年記念特別公演『リア』以来、10年ぶり 

【あらすじ】
舞台は古代コリントス。国王・クレオンテは、数々の冒険に出かけて偉業を打ち立てたジャゾーネに、娘のグラウチェを嫁がせることにした。しかし、ジャゾーネの前妻・メデアの存在がグラウチェの心に暗い影を落とす。ジャゾーネがクレオンテに謁見した際、メデアが現れ、かつてジャゾーネと交わした愛と、奪われた二人の子どものことを訴えるが、ジャゾーネは拒絶する。メデアは悲嘆と怒りのあまり、ジャゾーネへの復讐を誓う。

作曲:ルイージ・ケルビーニ/台本:フランソワ=ブノワ・オフマン/イタリア語訳詞:カルロ・ザンガリーニ
指揮:園田隆一郎/演出:栗山民也
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
出演者:メデア 岡田昌子/中村真紀 ほか
美術:二村周作/照明:勝柴次朗/衣裳:前田文子
公演日程:2023年5月27日(土)、28日(日)
上演時間:約2時間半(休憩を含む)
主催:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場] 協賛:日本生命保険相互会社

オペラ『マクベス』

ベルリン・ドイツ・オペラ公演以来53年ぶりとなるヴェルディ作品を、新制作で 
シェイクスピア四大悲劇の名作が、オペラの巨匠ヴェルディによって、圧倒的な迫力の音楽で描き出される。

【あらすじ】
スコットランドの将軍マクベスは、戦場からの凱旋の途上で魔女たちに遭遇し、「いつか王になる」という予言を受ける。野望に燃えるマクベスは、夫人と共謀して、国王ダンカンと、同じく魔女から「王の父」になると予言を受けていた戦友バンクォーを殺害する。血によってスコットランド王の地位を手に入れたマクベス。しかし、即位の宴席で、手に掛けたバンクォーの亡霊を見たマクベスの心は、しだいに恐怖によって支配されていく。かつての英雄は、独裁者として暴政を敷くようになり……。

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ/台本:フランチェスコ・ピアーヴェ
指揮:沼尻竜典/演出:粟國淳
管弦楽:読売日本交響楽団
美術・衣裳:アレッサンドロ・チャンマルーギ/照明:大島祐夫(A.S.G)/振付・ステージング:広崎うらん
公演日程:2023年11月11日(土)、12日(日)
上演時間:約3時間半(休憩を含む)
主催:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場] 協賛:日本生命保険相互会社

オペラ『午後の曳航』

三島由紀夫原作のオペラ、ドイツ語版舞台上演として日本初演
戦後ドイツを代表する作曲家ハンス・ヴェルナー・ヘンツェが、敬愛する三島由紀夫の同名小説を原作にオペラ化。

【あらすじ】
少年黒田登は、父を亡くし、夜毎、自分の部屋の秘密の穴から寝床に居る母房子の姿を覗いていた。ある日、登と房子は航海士の塚崎竜二と出会う。登は、屈強な身体の竜二に強く惹かれるが、房子と竜二がベッドで抱き合う様子を覗き穴から見てしまう。
やがて房子と竜二は結婚する。海を離れ、房子の経営するブティックを手伝うようになった竜二を、登は軽蔑する。ある夜、房子と竜二は、登の部屋からの覗き窓を見つける。寛容な態度をとる竜二に対して、登はさらに憎悪を募らせ、少年達とともに竜二に裁きを与えることを決意する。

作曲:ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ/台本:ハンス=ウルリヒ・トライヒェル
指揮:アレホ・ペレス/演出:宮本亞門
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団/出演:東京二期会
公演日程:2023年11月23日(木祝)・24日(金)・25日(土)・26日(日)予定
主催:公益財団法人東京二期会 共催:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場]

日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2023

音楽劇『精霊の守り人』

世界中で愛される大人気ファンタジー小説「精霊の守り人」 初の舞台化
舞台となるのは、異界と人の世界が交錯する世界 ──
「精霊の守り人」を、NHKエンタープライズとの共同企画により、世界で初めて舞台化。

【あらすじ】
凄腕の短槍使いである女用心棒のバルサは、ふとしたことから、新ヨゴ皇国の二ノ妃から、息子である皇子チャグムを守るように頼まれる。精霊の卵を体内に宿したことで、帝である父からも、卵を狙う異界の魔物<ラルンガ>からも命を狙われることになったチャグムを守るため、幼なじみのタンダや大呪術師トロガイに助けられながら、バルサは戦い続ける。
人の世である<サグ>と、精霊たちの世である<ナユグ>が重なる世界で、大きな流れに翻弄されながらも懸命に抗うバルサとチャグム。果たしてバルサはチャグムを守り切り、無事に卵を孵すことが出来るのか……。

原作:上橋菜穂子作「精霊の守り人」(偕成社)
脚本:井上テテ/演出:一色隆司(NHKエンタープライズ)
公演日程:2023年7月29日(土)~8月6日(日) 12回公演予定
上演時間:約2時間(予定・休憩を含む)/推奨年齢:6才~(予定)
企画・制作:公益財団法人ニッセイ文化振興財団、NHKエンタープライズ
主催:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場] 協賛:日本生命保険相互会社

舞台版『せかいいちのねこ』

人気画家・絵本作家ヒグチユウコ作品の初舞台化
画家・絵本作家ヒグチユウコの絵本「せかいいちのねこ」を初舞台化。

【あらすじ】
ねこのぬいぐるみ「ニャンコ」は持ち主の男の子からとても愛されている。ただ、赤ちゃんの時から一緒にいた男の子はもう 7歳になり、皆から男の子がぬいぐるみに飽きるのはそろそろだと言われ、ニャンコは不安を抱える。
仲間のぬいぐるみから「ねこのヒゲ」を集めて身体に入れれば本物のねこになれる、という話を聞き、ニャンコはヒゲ集めの旅に出る。男の子に永遠に愛されるために本物のねこになりたいと願ったニャンコだったが、道中で出会った様々なねこたちの優しさや愛情に触れて、本物のねこでなくとも自分は幸せだったことに気付く。

原作:ヒグチユウコ作「せかいいちのねこ」(白泉社)
脚本・演出・振付:山田うん
出演:人形劇団ひとみ座、Co. 山田うん
美術:松生紘子/照明:櫛田晃代/衣裳:飯嶋久美子/音楽監督:ヲノサトル
公演日程:2023年8月19日(土)・20日(日) 4回公演予定
上演時間:約1時間40分(予定・休憩を含む)/推奨年齢:5才~(予定)
主催:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場] 協賛:日本生命保険相互会社

バレエ『くるみ割り人形』

“日生劇場版”として新たに改訂演出・振付、2023年3月に子役オーディション実施
チャイコフスキー三大バレエとして名高い「くるみ割り人形」を谷桃子バレエ団を迎えて上演。

【あらすじ】
ドイツの古い町でのお話。
あるクリスマスの夜のこと、シュタールバウム家では盛大なパーティーが開かれている。この家の娘クララは兄のフリッツと共に沢山の友人や、客人たちとパーティーを楽しんでいる。
そこへ父親の友人である人形使いのドロッセルマイヤーが、子どもたちを楽しませる為に沢山のプレゼントを持ってやってきた。
クララはドロッセルマイヤーからくるみ割り人形をプレゼントとして受け取る。
楽しいパーティーが幕を閉じ、みんなが寝静まった夜。くるみ割り人形と一緒に居間のソファーで眠ってしまったクララのもとに現れたのは……。すてきな夢の物語が始まる。

原作:E.T.A.ホフマン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
台本原案:マリウス・プティパ/原振付:レフ・イワーノフ
演出・振付:谷桃子
芸術監督 改訂演出・振付:髙部尚子
出演:谷桃子バレエ団
指揮:井田勝大/演奏:シアターオーケストラトーキョー
公演日程:2023年8月25日(金)・26日(土)・27日(日) 6回公演予定
上演時間:約2時間(予定・休憩を含む)/推奨年齢:3才~(予定)
改訂演出・振付 髙部尚子
(谷桃子バレエ団芸術監督)
主催:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場] 協賛:日本生命保険相互会社