spi「この作品が日本のミュージカル界のひとつのターニングポイントになる」
spiが主演を務める『シュレック・ザ・ミュージカル』が、2023年7月8日より開幕する。2001年にドリームワークスが制作した大ヒットアドベンチャーコメディ映画『シュレック』をミュージカル化した本作は、日本では2022年にトライアウト公演の短縮版として上演され、大好評を博した。今回は、オーケストラによる生演奏でのフルバージョンとしてパワーアップして上演。「仲間との絆」や「真実の愛」、「困難に立ち向かう」という普遍的テーマをジョークやパロディ満載で描き、子どもから大人まで楽しめるミュージカルを作り上げる。
今回plus aでは、初演に続きシュレックを演じるspiにインタビューを敢行。本作への思いやフルバージョンの見どころなどを聞いた。
――トライアル公演を経て、いよいよフルバージョンが上演されます。今の率直なお気持ちを教えてください。
上演時間も長くなり、生演奏でお届けできるので、すごく楽しみです。ソロ曲も増えるので楽しんでいただけるのではないかと思います。トライアウトも充実した公演だったと思いますが、より充実度が高い作品になると思います。
――トライアウトでは、手応えは感じられました?
僕は少ない回数しか舞台に立てませんでしたが、それでも会場にいるキッズたちが驚いたり、楽しんでいる空気をすごく感じました。それによって劇場全体の空気が和むというのを体感して、これはいけるなと思いました。
――トライアウト公演は、毎公演、多くの子どもたちが観劇していました。4歳から観劇できたので、通常のミュージカル公演よりも小さいお子さんから入場できることになりますよね。
そうですね。『ピーターパン』や『アニー』のような子どもたちも楽しめるミュージカルとグランドミュージカルのハーフのような、どこにも属さないちょうどいいバランスのミュージカルになったと思います。子どもたちにも観てほしいという思いで作っていたので、狙いが当たったという気持ちもありました。(今回は、文化庁の子供鑑賞体験支援事業の対象となり、各公演250名の子供無料招待枠がある)僕自身、お子さんがいる家庭を支援したいとずっと思っていたので、最高の社会貢献だと思っています。各公演フルバージョンでもお子さん歓迎ですので、とにかくまずは来て、舞台というものに触れてほしいです。
――お子さんに観てもらいたい本作のポイントは?
どこを観てほしいということはないですが、客席で子どもたちがぐずってしまっても、その子どもたちの声も作品の一部になり得るので、気にせず多くのお子さんに来てもらいたいです。トライアウトの時も、作品を観て笑ったり、驚いたりしているキッズたちの声が聞こえてきていましたし、ぐずっている子の声も響いていましたが、それを僕たちは拾って演じます。なので、どうぞぐずってください。いじり倒させていただきます(笑)!
――改めてシュレックという役について、トライアウトではどんなところにこだわって演じていましたか?
そもそも子どもたちにも伝わるように作るというのが大前提にありました。映画『シュレック』の吹替版では、シュレックは関西弁を話していますが、それとはまた違う、“見た目は怖いけど優しくて、歌も歌う”新しいシュレックを作れればと。なので、動きが面白く、観ていて飽きないテンポ感をフィオナ役の(福田)えりさんやドンキー役の吉田純也さんと作っていきました。今回もどれだけ派手に楽しくプレゼンテーションできるかに集中して作りたいと思っています。
――ファンの方は、“spi節”ともいえるspiさんらしいお芝居も期待されているのでは?
どうせ僕らしさは溢れ出てきてしまうと思うので、それはそれで楽しんでいただけるかなとは思います(笑)。
――では、トライアウトで苦労したことや難しかったことは?
生演奏ではなかったので、すでにある音に合わせて動くというのは大変でしたね。例えばオナラ。音に合わせて動かないといけないので、その間隔を覚えるために、えりさんと真剣にオナラの音を聞いて合わせていました(笑)。
――それは今回、生演奏になることで解消されそうですね。
もちろん、指揮者の方とのコンビネーションにはなりますが、やりやすくはなるのかなと思います。ただ、トライアウトの時も、すごく血の通っている音楽だったので、生演奏ではなかったですが、満足のいくものになったとは思っていますよ。今回は、自分たちでどうにでもできる分、間延びしないように気をつけなくてはいけないとか、飽きさせないテンポ感や空間を自分たちで作っていかないといけないので、また違った大変さはあると思います。(演出の)岸本(功喜)さんと相談しながら作っていきたいと思います。
――生演奏以外には、フルバージョンになることでどんなところが大きく変わるのですか?
物語の流れは変わりませんが、色々なシーンの描写が増えるので、さらに深い作品になると思います。例えば、ドラゴンの城から逃げるシーンは、もう少し詳しく描写されます。それから、フィオナがタップを踊る曲が増えたり、シュレックのソロ曲も増えます。駆け足になっていたところをじっくりと描いているので、もっと分かりやすくなるはずです。
――出演者がフルオーディションで選ばれた本作ですが、だからこそとても結束力のあるカンパニーだと感じます。spiさんはこのカンパニーについてどう感じていますか?
引き出しの多さで選ばれている人が多いイメージです。岸本さんは、最初はできなくてもオーダーを出された時にどんな返しができるのか、どうやってコミュニケーションを取って進めていくのかを大事にして選ばれたんだと思います。
――実際にお稽古をされる中でも、そうした対応力や繋がり合う感覚は感じられたんですか?
話が早いです。岸本さんが「これを見せたい」と提示すると、それに向かってみんなが自分から動くので、次々と案が出てきますし、きっと岸本さんも作りやすいのではないかなと思います。
――岸本さんの演出はいかがでしたか?
僕と作り方が一緒なので、とてもやりやすいです。
――どんなところが一緒なのですか?
まずセリフを覚えて、ひとまず動いてみて、それを見た演出家が調整をしていくというやり方が一般的なようですが、僕は、まず立ち位置を決めないとできないんですよ。観ている人のためにやっているから、観せている側がどう動きたいかはあまり関係ないと思うんです。なので、演出卓から僕も一緒に見て、お客さん目線で頭の中で作り上げるんです。それから、それを体現する。そうすると、岸本さんが「その通りです」と言ってくださるので、僕としてはすごくやりやすいです。今回もきっとスムーズに進むと思います。
――ところで、出演作が続いていてとてもお忙しいと思いますが、spiさんにとってお仕事に向かうモチベーションになっているものは何ですか?
モチベーションは、ファンの皆さんです。僕は、歌が上手いというよりも、スピーチ能力がある、説得力のある音を出せる能力に長けていると自分では思っています。そうした表現を楽しみにしてくださる方のために、その力を発揮することが一つの社会貢献になるのではないかと思って、頑張っています。
――元々ミュージカルに出演したいという思いから、俳優業がスタートしたのですか?
僕はミュージカルもお芝居(演劇)も区別はしていないんですよ。ただ、子どもの頃から、ステージと客席という形式が好きなんです。なので、ミュージカルでもお芝居でも歌舞伎でも、その形式が好き。たまたま僕は、歌もダンスもやっていて、体が大きくて、身長があって歌えるので、ミュージカルになったのかなと思います。
――なるほど。そうすると、ステージと客席という形式ではない、映像作品にはあまりご興味はないですか?
最初はなかったですね。ただ、この間、映画に出演させていただいて、その考えも少し変わってきました。舞台の場合、すごく繊細な芝居をしても伝わらない場合もあります。それに、今は別の人にフォーカスが当たっているから、自分は背景として立っているという時間もある。そういう時間もお芝居をしていますが、作品のことを考えるとフォーカスが当たっていないこちらにお客さんの意識を引っ張ってはいけないとなる。でも、映像では、自分が出ているシーンはずっと集中してお芝居をする必要があるんですよ。そこにお芝居のやりがいを感じて映画にも出演していきたいと思いました。
――今後は、映像の中でもspiさんを見られるようになるのですね!
もちろん、そういうお話があればですが。映像を作りたいとおっしゃっている監督さんとコラボして、どんどん映像作品にも携わっていきたいという気持ちにはなってきてます。
――では、spiさんが目指す俳優像は? 例えば、10年後、20年後の自分はどうなっていると思いますか?
ロサンゼルスの夕日を浴びて歩きながら「日本に帰りてえ」って言いつつ、ドラマか映画の撮影をしているというビジョンはあります(笑)。それを信じて、今はそこにいくための活動もさせていただいてます。
――ありがとうございました! 最後に、読者へメッセージを。
今はミュージカルの新時代だと思います。さまざまな作品にチャレンジしようというプロデューサーが出てきて、ミュージカルの認知度も上がってきて、僕たち世代の若い俳優も多数出てきている。その中には、昔より遥かに色々なことができる俳優が増えています。そんな中、この『シュレック』も日本のミュージカル界のひとつのターニングポイントになるんじゃないかなと思っています。ぜひそのターニングポイントをお見逃しなく! 純粋なラブロマンスとコメディが詰まった、頭を空っぽにして最高に楽しめる作品です。人生に華を添えることができる舞台だと思うので、ぜひ観にきていただけたらと思います。
取材・文 / 嶋田真己
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・キャンペーンの応募状況および抽選結果に関するお問い合わせにはお答えしかねますので、あらかじめご了承ください。
公演概要
『シュレック・ザ・ミュージカル』フルバージョン公演
【原作】ドリームワークスアニメーション「シュレック」/ウィリアム・スタイグ「みにくいシュレック」
【脚本・作詞】デヴィッド・リンゼイ=アベアー
【作曲】ジニーン・テソーリ
【翻訳・訳詞・音楽監督】小島良太
【演出・振付】岸本功喜
【出演】spi、福田えり、吉田純也、泉見洋平ほか
【日程・会場】
2023年7月8日~16日、7月22日~30日 日本青年館ホール
【公式HP】https://www.shrek-musical.jp/index.html