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三浦涼介&新木宏典、出会いは若い頃のオーディション 初共演で挑む『オイディプス王』インタビュー

三浦涼介、大空ゆうひ、新木宏典(荒木宏文改め)ら豪華キャストが出演する『オイディプス王』が2023年7月8日より開幕する。紀元前より約2500年にわたり世界の観客を惹きつけてやまない、ギリシャ悲劇の最高峰と称されるソポクレス作『オイディプス王』。日本でもこれまで幾度となく上演されてきた本作を、石丸さち子が演出。三浦、大空、新木をはじめとするキャストたちが豊かな演技力と存在感でドラマティックに表現する。今回plus aでは、初共演となる三浦と新木にインタビューを敢行。稽古の様子や本作への意気込み、そしてお互いの印象などを聞いた。

――意外にも、お二人は初共演だそうですね。(取材当時)すでにお稽古も始まっているということですが、お稽古場ではどのようなお話をされていますか?

新木宏典 いや、もういっぱいいっぱいで、雑談をしている暇なんてないです(笑)。

三浦涼介 コロナの制限も緩和されたので、以前より環境も良くなっていると思いますが、全くもって雑談どころではないんですよ(笑)。まだ余裕がないんです。

――それはやはり古典ならではのセリフ量ゆえですか?

三浦 そこが一番大きいですね。セリフ量も多いですし、言葉も難しいのでそれに気を取られて。

――新木さんもそこが1番の苦労しているところですか?

新木 僕の場合は、これまでヨーロピアンな文化や作品に触れてこなかったので、そもそも根本が分かっていなかったというのが正直なところです。稽古初期段階では、石丸さんがどういう意味でその言葉をおっしゃっているのか、求められていることが正確に理解できているのか、手探りな状態です。「オイディプス王」における表現の仕方すら、本当に新鮮に0からスタートしているような感じですので、僕自身は、セリフ量よりもギリシャ悲劇に挑むという根本的なところでの苦労がありますね。もちろん、石丸さんにどういう真意なのかを聞けばいいのかもしれませんが、答えをもらうよりも今はたくさん考えて、自分の中で知識や気づきを増やすための稽古をしなければいけないと思っているので、模索しながらすり合わせていくようにしています。

――なるほど。では、そうしたお稽古の中で、今、それぞれの役柄についてどんなところを意識して演じているのでしょうか?

三浦 今回、僕はオイディプス王を演じるので、ひたすらステージの上に立っていて、対峙する相手が変わっていきますので、相手の役者さんにどう対峙するかが最初のハードルだと思っています。ベテランの方たちが多く、皆さん、とんでもない空気感を持っていらっしゃるので、そこにまずは慣れないと。

――共演者の方たちは、初共演の方ばかりですか?

三浦 大久保(祥太郎)さんだけは、以前にも共演したことがあるのですが、それ以外の方は初めてで、年長者の方々には特に圧倒されており、毎回、本当に緊張しながら稽古しています。役としてのポイントは、石丸さんとお話ししている中で考えるところもたくさんありますが、それよりも「三浦がやる意味や三浦がやるからこそを大切にして、新たな『オイディプス王』を作りたい」と、石丸さんに言っていただいているので、そこに精一杯、向き合っていけたらと思っています。

――三浦さんがやる意味というのは、少しずつ見えてはきていますか?

三浦 王というイメージに向かっていってしまうと、自分が保たないのは分かっているのですが、どうしてもそのイメージにとらわれてしまうので、今は、そうではない自分なりの道を探しているところです。

――新木さんはいかがですか?

新木 第一は、ヨーロピアンになることじゃないですかね(笑)。

――確かに新木さんには“和”のイメージがありますね。

新木 自分自身も、その印象が強くて。

三浦 新木さんは“和”のイメージなんですか?

――時代劇に出演されていたり、日本刀を持っている役のイメージが強いので、“和物”の印象があるのかなと。

三浦 ああ、そうですね、確かに。でも、ヨーロピアンなイメージの役者さんってあんまりいないんじゃない(笑)? ギリシャ悲劇のような作品もそう多くはないですし。

新木 確かに(笑)。でも、僕はグランドミュージカルの出演経験などもないので、立ち姿の見せ方ひとつとっても、引き出しが少ないのを感じているんですよ。なので、三浦くんをはじめとする共演者の方たちを見て、「そういう見せ方があるのか」と思いながら稽古をしています。僕が持っている三浦くんのイメージは「聖母」だったんですよ。プライベートでお会いした時も柔らかくて、温かくて、優しくて、繊細な花のような印象でしたから。なので、ミュージカル『黒執事』でステージに立っている姿を観た時に、芝居になるとこんなふうに見せる人なんだと衝撃を受けたんです。今回も、「こんなこともできる人なんだ、すごいな」と学ばせてもらっています。

――共演は初めてでも、もともとお知り合いだったんですね。

三浦 僕が若い頃に受けたあるオーディションで、新木さんと同じグループだったんです。その時に、ハードなシーンをオーディションで見せることになったのですが、監督さんから「絶対に手は出しちゃダメだよ」と言われていたのに、新木さんのTシャツを握ってしまって、お洋服が伸びてしまって…。それがずっと気になっていたんです。なので、共通の知り合いに連絡して、新木さんの連絡先を教えていただいて、謝りの連絡をしたんですよ。それから少しして、食事をご一緒させていただきました。怒っていたらどうしようってドキドキしながらご飯に行きました(笑)。

新木 怒ってないですよ(笑)。むしろ、オーディションでそれだけ全力でできる人ってなかなかいないから、すごい人だなって思ってました。その後、僕が人とあまり連絡を取らずにいた時期があったので、改めて連絡をとるタイミングが分からなくなってしまっていたのですが、今回、こうして久しぶりに稽古場で会って、「聖母」ではなく「王」としてそこにいたのでまた不思議な感覚でした。日に日に研ぎ澄まされていき、王でいるために集中している姿を見ると、すごいなと思うと同時に、ちゃんとご飯を食べられているんだろうかと心配にもなっています。オイディプス王に感情移入して本を読むと、食欲が失せるというのは、すごくよく分かるんですよ。三浦くんがどんどん削ぎ落とされて、目がギラギラしていく感じがあって、勝手に心配しています。どこかのタイミングでご飯に連れていこうと、稽古を見ながらずっと思っています(笑)。

三浦 ありがとうございます。すみません、ご心配おかけして。時々、本当にフラッとなってしまう瞬間があるんですよね(苦笑)。

新木 だって、オーディションを全力でやるような人だから、稽古は当たり前のように全力なんですよ。

三浦 不器用なんですよ(笑)。

新木 そのスタンスでずっとやってきたってすごいことですよね。三浦くんは、歌も歌えて、踊れて、お芝居も熱量を持ってやれる人だから、何でもできるイメージですが、そんな人がこれほど貪欲に稽古されているというのは、本当にすごいことだと思います。

――三浦さんからみた新木さんは、どんな印象ですか?

三浦 若い頃からこのお仕事をさせていただいていますが、その頃から新木さんはD-BOYSとして活動されていて、他の人とは違う雰囲気や独自のカラーがあって素敵だなと思っていました。どうしても同じことをしてしまいがちですが、そんな中でも他の人と違う道を進んでいけるのはとんでもない力だと思います。ただ、きっととても繊細な人なんだろうなとも感じていて、これからもっと深く理解していけたらいいなと思っています。

――では、ギリシャ悲劇というと気合いを入れて観にいかなければと思ってしまいますが、より本作を楽しむためのポイントや見どころを教えてください。

三浦 おっしゃる通り、「理解できるんだろうか?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、実はとても人間らしいお話で、現代にも通ずる作品だと思います。僕自身も演じていてそれを体感しています。悲劇ではありますが、観ていただいた方たちに、何か希望を持って帰っていただけるような作品にしたいと思います。何か1つでも伝わればいいなと思って精一杯演じますので、ぜひ劇場へお越しください。

新木 僕も、ギリシャ神話や三大悲劇といった作品には敷居が高いイメージを勝手に持っていましたが、今回、出演が決まって改めて戯曲を読んでみたら、ものすごくシンプルな話だと感じました。そこで起きる出来事も伝えたいテーマも複雑ではないですし、人間の感情に沿った物語なので、きっと多くの方に響く作品になっていると思います。この作品に出演することで、たくさんの素敵な経験をさせていただいていると思いますし、ぜひ皆さんにもこれを機に、ギリシャ悲劇に触れていただけたらと思います。

クレジット
ヘアメイク:春山聡子
[三浦]スタイリング:村瀬昌広
取材・文 / 嶋田真己

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・賞品のネットオークション等での転売は、禁止いたします。
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公演概要
パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念『オイディプス王』

作:ソポクレス
翻訳:河合祥一郎
演出:石丸さち子
出演:三浦涼介、大空ゆうひ、新木宏典、浅野雅博、外山誠二、吉見一豊、今井朋彦ほか

日程・会場
東京公演:2023年7月8日・9日・12日・13日・15日・16日・17日 パルテノン多摩大ホール
兵庫公演:2023年8月19日 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール