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 染谷俊之「エンターテインメント要素たっぷりで全ての方が楽しめる作品」明治座創業150周年ファイナル公演 舞台「メイジ・ザ・キャッツアイ」インタビュー

1981年に発表されて以来、爆発的な人気を博し、今なお愛され続けている、北条司による伝説的漫画「CAT’S♥EYE」。これまでアニメ化、実写映画化だけにとどまらず、さまざまなメディアミックスが展開されてきた。そんな「CAT’S♥EYE」が、明治時代に設定を変えて、明治座創業150周年ファイナル公演 舞台「メイジ・ザ・キャッツアイ」として舞台化される。物語の主人公となる怪盗キャッツアイの3姉妹を演じるのは、藤原紀香、剛力彩芽、高島礼子。藤原が演じる来生瞳の恋人でキャッツアイを追う警察官・内海俊夫を染谷俊之が務める。染谷に本作への意気込みや役作りについてなどを聞いた。

――この作品のお話を聞く以前から「CAT’S♥EYE」という作品はご存知でしたか?

もちろん知っていました。世代的には「シティーハンター」なので、リアルタイムで観ていたというわけではないのですが、主題歌も有名ですよね。なので、こうした国民的な人気作品に携わることができるのはとても嬉しかったですし、キャッツアイの3姉妹を藤原紀香さん、高島さん、剛力さんが演じられると聞いて、ご一緒できるのがとても楽しみでした。

――共演者の方々とは、(取材当時)すでにお話されていますか?

製作発表でもお会いしましたが、それ以外では、ビジュアル撮影の時に美弥るりかさんと新谷姫加さんと長谷川初範さんとは少しだけご挨拶させていただきました。本当にご挨拶程度で、あまりお話もできなかったのですが、美弥さんとは「どんな撮影したんですか」「ずっこける撮影をしてとても大変でした」というお話をしたのを覚えています(笑)。

――メインビジュアルでも盛大なズッコケ姿を披露されていますが、ずっこける撮影は大変そうですね(笑)。

大変でしたよ(笑)。こんなに使うのかな? というくらいたくさん撮りました。

――明治時代を舞台としている作品だけに、メインビジュアルの衣装も明治時代を感じさせる素敵なデザインでした。

原作では、僕が演じる俊夫は刑事っぽい服装をしていないんですよ。水色のジャケットに黒いネクタイ、黒いパンツというスタイルなのですが、今回は明治座バージョンなので。どうなるんだろうと僕も楽しみにしていたんですが、ビシッとしていて原作のイメージとはまた違うかっこよさだったので楽しかったです。明治時代の警察官というと、あの衣装が思い浮かぶほど、警察官らしい格好をさせていただいたので、気持ちも明治時代になりました。

――岩崎う大さんが書かれた脚本を読んだ率直な感想は?

エンターテインメントだなと思いました。確かにこれくらいエンターテインメントに振った方が面白いと思います。実際に演じてみてどうなるのか楽しみです。

――俊夫という役柄については、今はどんな印象を持っていますか?

正義感があって熱血だけれど、どこか抜けているところもある。キャッツアイに振り回されていて、恋人にもグイグイいくタイプではないけれども、瞳のことが大好きで一途。キャッツアイを絶対に捕まえてやろうという思いもあるけれども、同時にそれに生きがいを感じているんだろうなとも思います。捕まえてしまったら、追いかけっこが終わってしまう。でも、捕まえないとプロポーズできないと、もどかしい気持ちを持っていると思うので、それを舞台でも表現できたらと思います。

――共感できるところとかもありましたか?

僕はあまりないですね。ただ、僕も好きな人ができたとしても素直になれなかったりするので、強いて言えばそこは少し似ているのかなと思いますが。

――逆にどんなところに違いを感じていますか?

あんなにも熱血ではないです(笑)。僕は頭で考えて動くタイプなので、タイプ的には真逆だと思います。

――そんな俊夫を演じる上ではどんなところを意識しようと考えていますか?

上山(竜治)さんが演じる平野や佃井(皆美)さんが演じる佐谷と行動を共にすることが多いので、三人で警察官たちのシーンを丁寧に作り上げていけたらと思います。

――演出の河原雅彦さんとは何かお話をされましたか?

ビジュアル撮影の時に少しだけお話させていただきました。面白かったですよ。「よろしくお願いします」とご挨拶をした後に、「どうですか、人生?」って(笑)。“最近”ではなくて、“人生”単位ですかと思って(笑)。すごく独特な方だなと思いました。そんな面白い方がどんな演出をされるのか楽しみです。

――俊夫の恋人・瞳を演じる藤原紀香さんの印象も教えてください。

とても素敵な方だなと思いました。製作発表で初めてお会いした時も気さくに話しかけてくださって嬉しかったです。華があって、オーラがあって…僕は一方的にテレビなどで拝見させていただいてきたので、想像通りの方で稽古がますます楽しみになりました。

――お稽古に向けて今、どんな準備をされていますか?

今は、原作を勉強しているところです。今回ご一緒するキャストの皆さんは、皆さん初めましてなので、初めましての方とご一緒できることも楽しみです。きっと自分の世界が広がるのではないかなと思います。エンターテインメント要素たっぷりの台本なので、どう演じるんだろうと思うところもたくさんあって、どんな稽古になるのかも楽しみにしています。

――染谷さんは初めての方とも積極的にコミュニケーションを取っていくタイプですか?

全然です、僕はミスター人見知りですから(笑)。でも、気づいたら仲良くなっています。舞台はどの作品でもそうですね。1ヶ月間みっちり稽古をしてずっと一緒にいますし、開幕してからもずっと一緒ですから、きっと自然と仲良くなるんじゃないかなって思ってます。

――今作は、明治座創業150周年のファイナル公演でもあります。明治座という劇場への想いを聞かせてください。

初めて出演させていただいたのは、2018年の「銀河鉄道999~GALAXY OPERA~」の時で、2021年には「酔いどれ天使」という三池崇監督が演出された舞台にも出演させていただきました。それから、「明治座プレミアム倶楽部 プレミアムナビゲーター」という、明治座の魅力を紹介させていただくナビゲーターもやっていたこともあります。明治座の歴史について、動画で紹介したり、ロビーや建物、周辺施設をご紹介させていただいたり、明治座にゆかりのある方をゲストに呼んでトークしたりする番組をやらせていただいたり、落語をやらせていただいたり…。なので、すごく思い入れのある劇場です。150年、劇場があり続けることはすごいことだと思います。至るところに温かみを感じてとても落ち着く場所です。

――ところで、この時期の定番質問ではありますが、2023年を振り返っていただいて、どんな1年だったか教えてください。

攻めた1年だったなと思います。いろいろなことに挑戦させていただきましたし、語り尽くせないくらいたくさんのことがありました。舞台にもたくさん立たせていただきましたし、東京ドームにも立たせていただきましたし、幕張メッセでも国際フォーラムでもやらせていただきましたし、映像作品で巨匠とご一緒させていただいたりもしました。それから、初めて女性とのキスシーンもやらせていただいて。すごく濃い1年だったなと思います。昨年発表された、2023年の流行語大賞(現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞)のノミネートに、「4年ぶり/声出し応援」という言葉が入っていたんですよ。確かに、昨年からでしたよね、お客さまが声を出して良くなったのは。やっとコロナが落ち着いてきて、これまでと同じように届けられるようになったんだなと嬉しかったのを思い出しました。

――染谷さんにとっては、2023年は15周年の節目の年でもありましたよね。

そうなんです。ただ、僕自身はあまり意識していなくて、言われて初めて「15年も経っていたんだ」と気づいたくらいだったんですよ。15周年のメモリアル写真集も出させていただくことになり、本当に素敵な15年間だったと思います。

――今年はどんな1年にしたいですか?

2024年はありがたいことに決まっているお仕事がとても充実しているので、この「メイジ・ザ・キャッツアイ」も含めて、充実した1年を送れるのではないかなと思います。きっと僕のこと応援してくださっている方にとってもきっと楽しい1年になるだろうなと思うので、希望しかないです。

――昨年、15周年を迎え、ある種、節目でもあったのかなと思いますが、これからの未来に向けては、どんな目標や理想像がありますか?

いつ、お仕事がなくなってしまうのかと、ずっと不安を抱えたままやっているので、ずっと俳優ができたらいいなと思います。

――改めて作品の見どころや意気込みをお願いします。

「CAT’S♥EYE」という誰もが知っている作品が舞台化されます。しかも、明治時代バージョンです。原作から飛び出したキャッツアイをお届けできるのではないかなと思っています。華やかなエンターテインメント要素が満載なので、「CAT’S♥EYE」を好きな方も、詳しくないという方も、全ての方が楽しめる作品になると思います。皆さんに楽しんでいただけるエンターテインメントをお届けできるよう頑張ります。

取材・文 / 嶋田真己

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公演概要
明治座創業150周年ファイナル公演 舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』
原作:北条司「CAT’S♥EYE」(コアミックス)
脚本:岩崎う大
演出・共同脚本:河原雅彦
出演:
藤原紀香・剛力彩芽 / 染谷俊之 上山竜治 / 長谷川初範 /
川久保拓司 佃井皆美 新谷姫加 / 美弥るりか / 高島礼子
日程・会場
2024年2月6日(火)〜3月3日(日) 明治座