加藤和樹主演舞台『裸足で散歩』東京プレビュー(曳舟)公演 取材会コメント&舞台写真公開
9月27日に大阪・サンケイホールブリーゼで開幕した、ニール・サイモン脚本の傑作コメディ「裸足で散歩」。10月10日に曳舟文化センターで東京プレビュー公演の前に取材会が行われ、演出の元吉庸泰、出演の加藤和樹、高田夏帆、福本伸一、松尾貴史、戸田恵子が登壇した。
本作は、ブロードウェイを代表する喜劇作家、ニール・サイモンによる戯曲。ブロードウェイでの舞台のヒットに続き、ニール・サイモン自身が映画用に脚色。駆け出しの弁護士で慎重派の夫役にロバート・レッドフォード、社交的で自由奔放な妻役にジェーン・フォンダという大スターを迎え、舞台でも演出を担当したジーン・サックスが監督を務めて1967年に世界中でヒットした。
大好評を博した前作の座組がほぼ揃い、ファンが待ち望んだ2年ぶりの再演に挑みます。互いを愛して、愛してやまない若い夫婦ポールとコリー。そこにユーモア溢れるヴェラスコと、厳格なコリーのお母さんが登場して、新居はどうなる?大好きだから喧嘩して、大好きだから2人は……?
キュートで心温まるハートフルコメディをお届けする。
取材会コメント
元吉庸泰 /演出
初日を大阪で迎えて茨城・神奈川・静岡と各都市回らせていただいておりますが、すごく温かくて、こんなに笑っていただけるんだと嬉しく思っております。2年前も色々な反応をいただき、今回は少しテイストを変えているところがあるので不安もありましたが、温かい気持ちになっていただけたのかなと安堵しています。
(高田夏帆さんが演じる)コリーのモデルが、(ニール・)サイモンの最初の奥さんで、20年連れ添った末にがんで死別されているジョアンだと言われていて、今回改めて稽古をしてみて、本当に彼女のことが好きだったんだなと、そして理屈を超えて2人が愛し合っているというところを描きたかったんだなと気づきました。途中でポールとコリーが喧嘩をするシーンがあるのですが、どこか許しあうというか、相手に光を求めるような方向性にしました。そういう部分で戯曲を読み解いたところはすごく勉強になりました。
加藤和樹 /ポール・ブラッター 役
これまで大阪・茨城・神奈川・静岡で上演してきましたが、各地のお客様が温かいのはもちろんですが、笑うポイントだったり空気感が各会場違います。これからまだ色々な所を回るので、その土地の反応を楽しみたいです。
注目していただきたいポイントはたくさんあるのですが、2幕の途中にコリーとヴェラスコさんのシーンがあるのですが、すごく自由度が高いので、毎回どうなるか楽しみにしているシーンです。そこは是非注目していただきたいと思います。
10月7日に40歳を迎えたのですが、26歳のポールをより若々しく頑張っていきたいと思っています。役者としては年を重ねるにつれて演れるようになる役もあると思いますので、いつかヴェラスコさんを演じられるような渋い男になれるように頑張りたいと思っています。
初演の時は、コロナの影響もあって声を大にして笑えなかったと思いますが、2年ぶりの再演となる今回は、各劇場で笑い声をいただいて、演じている自分たちも心が温まります。観に来てくださっている皆様の心を豊かになるように我々全力で幸せな物語を届けられたらと思いますので楽しみにしていてください。
高田夏帆 /コリー・ブラッター 役
(初舞台だった前回公演と比べて)ステージの上にいる心持ちも少し変わりました。聞く耳を持てるようになって(笑)、前回よりももっと大きな笑い声に聞こえたので、すごく嬉しいです。ここで笑ってもらえるんだ!と思ったら、もっと膨らませてみようと思い、毎日試行錯誤しています。1人1人チャーミングで可愛いところがそれぞれにあるので、色々な人の気持ちになって観劇して欲しいなと思います。1人1人を追って見て欲しいですし、1場面1場面切り取って見て欲しいです。1回では足りないくらい全部が注目ポイントです!
福本伸一 /電話会社の男 役
コメディなのでお客様の笑いが入って完成するものだと思っています。大阪公演の初日は怖かったですが、想像以上に笑っていただけましたし、それ以降の各地の公演でも笑っていただけています。カーテンコールでお客様の顔を見るととても良い笑顔をされているので、それを見るのが幸せで自分にとっても幸せな公演になっています。
1幕と3幕の頭で登場してコリーとポールに巻き込まれて体を張っていたりするんですが、ニール・サイモンの戯曲には”ここで体を張れ”とは書いていないのに、なぜか稽古から張るようになってしまったのでその部分は見所です(笑)。
あと、2幕の頭で別人として2秒ほど出るので、その2秒を見逃さないで欲しいです。
松尾貴史 /ヴィクター・ヴェラスコ 役
2年前より僕も聞く耳を持ちました(笑)。
大阪は温かい街ですが笑いに厳しい街でもあるので、そこでの反応がいちばん緊張感がありましたが、幕が開けたらこんなにも温かいものか…という反応をいただけて、それぞれの街でウケる場所がこんなに変わるのかと思っています。
やるたびに1つ1つが栄養になっていますので大千穐楽に向けて盛り上がっていくことを期待しています。
演出の元吉さんが福田(響志)さんの翻訳に”ニューヨークの風”を感じるということでしたが、僕もこの芝居で”ニューヨークの隙間風”を感じて一生懸命やっていきたいと思います(笑)。そこにご注目いただきたいと思います。
戸田恵子 /バンクス夫人 役
2年経ちまして私も聞く耳を持てるようにようやくなりました(笑)。
お客様の反応を気にする余裕は私にはなくて、ひたすら自分の台詞をニール・サイモンが書いた本の通りに一生懸命やっていこうと思っている次第です。この先も初心を忘れずやっていこうと思っています。
物語の中で際立って特異な事が起きる訳ではないのですが、若者の夫婦が少ーし成長するのと、このおじさん(松尾貴史さん演じるヴェラスコ)とおばさんも若夫婦によって少ーし成長させられ、そして電話工事の人もいざこざに巻き込まれて少ーし成長している・・・。皆が少し成長する物語に面白くなっているというのが見所だと思います。
必ず登場する誰かに当てはまるところが皆さんの中にもあるのではないかと思います。
見所は満載ですのでたくさん楽しんでくださった方が最後キュンとなると思います。
舞台写真
撮影:岡千里
寒い2月のニューヨーク。古いアパートの最上階に新婚のポール・ブラッター(加藤和樹)とコリー・ブラッター(高田夏帆)が引っ越してきた。工事に来た電話会社の男(福本伸一)も息切れして話せないほどの階段。エレベーターはなく、天窓には穴があき、暖房も壊れ、家具も届いていない。夜には雪が降るらしい。
アパートには不思議な住人がたくさん住んでいる。その中のひとり、屋根裏部屋に住むヴィクター・ヴェラスコ(松尾貴史)はブラッター家の窓を通って自分の部屋に行く。コリーはここでの生活をすごく気に入り楽しんでいるが、真面目な弁護士のポールはこのアパートに馴染めずにいた。
ある日コリーは、母であるバンクス夫人(戸田恵子)との食事にヴェラスコを誘い、食事を楽しんだ。だが、みんなが帰った後、2人きりになったポールとコリーはケンカをし始めてしまう。
ポールとコリーの新婚生活はどうなってしまうのか?
公演概要
裸足で散歩
作 : ニール・サイモン
翻 訳 : 福田響志
演 出 : 元吉庸泰
出 演 : ポール・ブラッター 加藤和樹
コリー・ブラッター 高田夏帆
電話会社の男 福本伸一
ヴィクター・ヴェラスコ 松尾貴史
バンクス夫人 戸田恵子
企画・製作 : シーエイティプロデュース
公式サイト : https://hadashidesanpo.jp/
公式 X : @hadashide_sanpo