佐藤龍我主演 新海誠監督『雲のむこう、約束の場所』スペシャル・リーディング・オーケストラ・コンサート制作発表レポート

新海誠監督・初長編映画 公開20周年メモリアル『雲のむこう、約束の場所』スペシャル・リーディング・オーケストラ・コンサートの制作記者会見が10月17日に行われ、出演者の佐藤龍我、鈴木愛理、大原櫻子、中村竜大、黒田こらん、田中洸希、Taiyo、柏木ひなた、紅ゆずる、橋本さとしが登場した。また、出演者の観月ありさ、原作音楽の天門氏、原作の新海誠監督よりコメントが到着。

アニメーション監督の新海誠が、2004年に公開した初長編映画『雲のむこう、約束の場所』。今回のスペシャル・リーディング・オーケストラ・コンサートでは、新海誠の原作を生かしつつ、三人の同級生を中心にした青春模様を軸に、彼らを取り巻く南北に引き裂かれた大人たちなど舞台化当時の演出も織り交ぜ、物語を立体的に描きだす。

津軽海峡をはさみ日本が南北に分断された、もうひとつの世界。引き裂かれた人々、占領されたエゾ(北海道)に高くそびえる謎の塔。対岸の国境の地、青森に住む二人の少年、浩紀(佐藤)と拓也(中村)は、ヴェラシーラと名付けた飛行機を自作し、二人の憧れの少女、佐由理(鈴木・大原)と共に、塔まで飛ぼうと約束する。しかし、佐由理の突然の転校により、約束は果たされないまま時が過ぎる。やがて海峡間の摩擦は増大、塔の秘密が暴かれるにつれ、あの時の約束が一つの鍵となって、再び三人を結びつける。あるべき「未来」を取り戻すため、彼らの想いを乗せた飛行機は、約束の地へ飛ぶことができるのか。

記者会見レポート

ーーまず、皆さまより役柄についてや公演に向けての意気込みをお願いいたします。

藤沢浩紀 役/佐藤龍我

浩紀の意外と子供っぽい性格は僕と似てるいるなと思います(笑)。その反面、覚悟を決めたことはブレずに突き通すところは男としてかっこいいなと思います。今回リーディング・オーケストラ・コンサートということで、60人のオーケストラの方がいらっしゃるんですが、僕自身初めてのことなのでめちゃくちゃ緊張しています。僕たちの朗読と歌とオーケストラの方の演奏で、皆さん心を掴めるようなリーディングコンサートにしたいと思います。一生懸命頑張ります!

沢渡佐由理 役/鈴木愛理(Wキャスト:東京公演)

普段からたくさん拝見させていただいていた新海誠監督の世界に、リーディングコンサートという素敵な機会に参加させてもらえることに喜びを感じております。普段見ていた世界に入れるワクワクと、もともと好きだったオーケストラという素敵な音の響きの中で、新海監督の作る壮大な世界観を皆さんと作り上げることが楽しみで仕方がありません。ぜひ、楽しみにしていただけたらと思います。

沢渡佐由理 役/大原櫻子(Wキャスト:大阪公演)

佐由理ちゃんという役は物語のキーパーソンになるんですが、アニメーションを見た時にずっと寝てるなという印象でした(笑)。今回台本読ませていただいて、2人(浩紀と拓也)が作るヴェラシーラという飛行機をはじめとする、物への好奇心を持っているとってもピュアで可愛らしい女性だなと感じましたので、そういうところを大事に役作りをしていきたいなと思っています。普段ライブでは、オーケストラとご一緒させていただく機会はあるんですが、リーディング劇では初めてとなりますのでとても楽しみです。そして多くの方々に愛されている深海誠監督作品の美しい世界観のアニメーションともコラボさせていただけるということで、その作品の中に溶け込めることを思うと楽しみで仕方ないです。一生懸命頑張りたいと思います。

白川拓也 役/中村竜大

普段は、LIL LEAGUEという6人組のボーカル&ダンスグループで活動しているので、こういった形でお芝居をすることが初めてに近い状態の中、こんな豪華なキャストの皆さんの中に並ぶことが恐縮なぐらい緊張しています。拓也は、浩紀くんとは大局的で、大人な要素が詰まってるすごく真っすぐな人だなと感じています。自分とは真反対の性格ではあるんですが、稽古を通して拓也に向き合っていけたらなと思っております。そして自分事ではあるんですが、僕が生まれた年が2004年でこの作品とちょうど同い年になります(笑)。個人的にも運命を感じていますので、最高の舞台に仕上げていけたらなと思っております。

白川美子 役/黒田こらん

私は6年前の舞台に出演させていただいておりまして、今回はオーケストラとリーディングのコラボとういことで、よりわかりやすく観ていただけるんじゃないかなと思っております。戦後の日本で、こうして私たちが平和で過ごしてこられていることをこういった作品を通して若い方たちにも知っていただけたらなと思っております。音楽を通じて楽しんでいただけると思いますので、たくさんの方たちにご覧いただきたいなと思います。

橋本昇 役/田中洸希

個人的なことになるんですが、僕の家系にピアニストや指揮者、ビオラといったオーケストラで演奏をしいてる祖父母がおりまして。自分的に馴染みのある音楽をバックに朗読できることに光栄に感じています。昇くんは拓也くんのことを心配しがちな心優しい男の子なので、その優しさ全開で演じられたらなと思っております。(今日は)ビジュアルとは髪色の色が違うんですが、本番はちゃんと黒にしてくるので(笑)、よろしくお願いします。

笠原真希 役/柏木ひなた

青森アーミーカレッジという脳科学の研究をしている研究員の役をやらせていただきます。今回新海監督の作品20周年という素敵な記念の時に、自分が出演させていただけることがすごく嬉しいです。作品のファンの方をはじめ、楽しみに待っていてくださる方がたくさんいらっしゃると思いますので、みんなで素敵な時間をお届けできるように一生懸命頑張りたいと思います。

芦崎慎介 役/Taiyo

今回このような素晴らしい舞台に出演させていただくことに、感謝を嚙みしめながら頑張りたいと思います。新海監督の作品は、音楽を聴いても映像を見ても一瞬で世界観に入り込めるような作品ばかりですので 今回このリーディングコンサートでどのような世界観になるのか楽しみです。一生懸命頑張りますのでよろしくお願いいたします。

富澤常子 役/紅ゆずる

富川常子は、拓也くんが所属する研究所の所長をしています。塔の秘密と佐由理ちゃんと拓也くん、浩紀くんの3人の関係性に気付きながら物語を進めていくというところを大切に演じたいなと思っております。新海誠監督の作品は、日常の生活がとてもきめ細やかに描かれており、音楽も壮大で素晴らしい映像だと感じております。そしてオーケストラと共にリーディングをさせていただくことはなかなかないことだと思いますので、この素晴らしいキャストの皆様と共に同じ板の上に立たせていただくということを自分の糧とし、そして鼓舞をしながら演じたいと思います。

岡部智之 役/橋本さとし

新海監督の作品の、何かノスタルジックであり、それでいてリアリティを感じさせる世界観に、見ている方は巻き込まれていきます。僕の中でいつも印象に残るのは、すごく混沌としていたり不穏な空気がある中でも、映像からなぜか爽やかな風を感じます。その爽やかな作品の中で、アニメから抜け出してきたような美少年や美少女の方々に交じって、この胡散臭いおっさんがおります(笑)。その分リアルな岡部を演じられるんじゃないかなと思っております。リーディングというのは、噛んだり台本を落としてページか分からなくなるというアクシデントもあるので、役者にとって半裸でステージに立つぐらいの覚悟を持って臨まないといけないなと思っております(笑)。 そして、世界的な新海監督作品の20周年記念ということで、プレッシャーを今から自分にかけております。世界的なイベントに加えて、皆さんと一緒に参加をさせていただけることは本当に光栄なことですので、何としてでも今までに見たことがないリーディングにしたいなと思っております。皆さん、どうぞ楽しみにしていてください。

――佐藤さん、早々たるメンバーの中で主演ということですが、いかがですか?

佐藤 いやあーー!もうびっくりですよね!主演なんですけど、主演じゃなくていいです!みんなが主演という気持ちで・・皆さんの心をぐっと掴んで震えさせるような、そんな舞台にしたいです。よね?(両隣の鈴木さんと大原さんに賛同を得る)

(一同笑い)

――座長として何かしたいことはありますか?

佐藤 何かしたいことかあー。僕、人見知りなんですけど、会話できるようになりたいですね。皆さんと。リーディングの稽古ってけっこう短いじゃないですか。でも、深い関係になれるような、気軽に話しかけてもらえるような座長になりたいです。

――まず、どなたからコミュニケーションを取っていきたいですか?

佐藤 えええーー!!!

(一同笑い)

佐藤 (周りを見渡し)ええぇぇ・・やっぱり全員です。全員です!

――もともと新海誠監督の作品はお好きでしたか?

佐藤 家族で大好きですね。弟が特に好きなんですけど、カフェ?新海監督の作品をテーマにしたカフェに行ってました。

――今回の出演が決まって、美少年のメンバーはどんな反応でしたか?

佐藤 またリーディングやるの?みたいな(笑)。今年2回目のリーディングなんですけど、もうリーディング俳優じゃん!みたいに言われて(笑)。頑張るよ、観に来てね。と言いました。

――リーディングは慣れましたか?

佐藤 そうですね。台本を読むのが当たり前になっているのがちょっと怖いなって思うんですけど、でも前回の経験を生かしてレベルアップしたものを見せられるように頑張ります!

――大原さん、鈴木さんのお二人はダブルキャストが決まった時どんなお気持ちでしたか?

鈴木 心強いなと思いました。私自身、朗読の経験がほぼないに等しいですし、ひとつの役を読み解いていくにあたってもう1人相方がいるというのは、佐由理ちゃんが濃くなるのですごく心強いなと思っています。

大原 鈴木さんとは音楽の現場でお会いすることが多かったんですが、今回、同じステージには立てないんですが、ご一緒できるというのが素直にすごく嬉しかったです。でも多分稽古の時間が被らないと思うんです。

鈴木 今日しか会えない・・

大原 そうなんですよ。でも、各々の佐由理ちゃんを2度楽しんでいただける、そんな作品になるんじゃないかなと思っております。

――稽古はこれからになりますが、自分はこういう佐由理だとそれぞれの個性でピーアールをお願いします。

鈴木 私は実年齢が30歳になるですけど、役がちょうど半分の15歳の役なので、まずは気持ちをフレッシュにするところから始めたいなと思っています(笑)。佐由理ちゃんの、ちょっと儚げであり芯はあるんだろうけど掴めない感じという役を演じることが初めてなので、たくさんこう勉強して臨めたらいいなと思っています。

大原 本当にピュアで何か素敵なものを見ると「わあー」って感情が人一倍動く女の子だなと思っているので、そういうところが佐由理ちゃんの魅力だなと思います。そういったところで愛情に似た友情が生まれると思うんですけれども、それによって作品の肝になってくる約束が生まれると思うので、そのピュアさや感情の振れ幅というのは大事にしたいなという風に思います。

――『雲のむこう、約束の場所』というタイトルにちなんで、これからの稽古に向けて自分が準備している約束ごとというのがあれば教えてください。

紅 初日から逆算をして何日までにこの段階までいくという風に段取りを組んでいます。

中村 今僕は寮生活という形でメンバーと過ごしているんですが、急にメンバーにセリフを問いかけて無理やりそのシチュエーションを寮内で作り出すっていうのをやっていたり、お風呂でひたすら練習をしています。

鈴木 私はすごく噛みやすいので、先ほど橋本さんが仰っていた本番で突然噛むとか台本を落とすという、予想もしていなかったハプニングであたふたしないように練習の段階からたくさん噛んでおこうと思います(笑)。

佐藤 僕はまだ家でエアコンを付けてるんです。普段暑がりで寝る時も22度ぐらいにしてるんですけど、それをすると喉を壊しちゃうと思うのでちょっとだけ温度を上げて26度ぐらいにして我慢して汗を掻いて寝ます。

(一同笑い)

大原 劇中で「君の声」という楽曲が出てくるんですけれども、やはりアーティスト業をさせいただいているので、その歌のシーンというのはとても楽しみにしていますし、練習をしっかり頑張りたいなと思います。

橋本 年齢的に台本を遠くに置かないと見えなくなってくるんですよ(一同笑い)。あと緊張のあんまり震えて文字が見えにくくなったりしますので、朗読劇ですけども、本番までに一切読まずに全部セリフを覚えていきたいと思います。

全員 おおー!(拍手)

黒田 私は、大谷翔平選手と一緒で良く寝ることです。良く寝て良く食べて。それが活力になるのでそんな風にして臨んでます。

田中 私は(セリフを)噛まないことですね。すごい滑舌が悪いので気を付けたいのと、自分はちょっと癖がありまして、ヒューマンビートボックスをしちゃんうんです。

佐藤 ビートボックス!?

田中 そうなんです。

佐藤 すごい!聞きたいです!!

(即興でビートボックスを披露する田中さん)

全員 おおーー!!!

田中 それが癖でふとした時に音を出しちゃんうんです。

佐藤 すげえ。

(一同笑い)

田中 それで、自分のセリフがないところでもみんなが芝居をしている中でビートボックスの音を鳴らさないように、まずはそれを止めるということを始めたいと思います(笑)。気を付けます(笑)。

柏木 お酒を飲み過ぎない。以上です。

全員 拍手(一同笑い)

田中 僕も被っちゃうんですけど、滑舌が悪くて舌足らずなんですよ。なのでお客さまにちゃんと伝えらえるように頑張ります!

――皆さんから約束事を聞かせて頂きましたが、滑舌は皆さんいいんじゃないでしょうか?今、皆さんで滑舌の練習やってみますか?

佐藤 はい!

MCに習って、生麦生米生卵、赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ青パジャマといった早口言葉を全員でやってみる。
リズムに乗せてやる流れの際、田中さんがビートボックスでリズムを取りはじめとき、キャスト全員が(田中さんに向かって)癖が出ちゃってる!出ちゃってる!(笑)と総ツッコミ。

――いいですね。今のリズムに合わせて皆でやるのもいいんじゃないでしょうか。

田中 僕だけ練習できないっていう(笑)。

(一同笑い)

――皆さんで楽しく滑舌の練習をしていただいて本番に臨んで頂けたらと思います。

こうして楽しい雰囲気に包まれた制作記者会見は終了。

コメント

阿知良芳江 役/観月ありさ

国内問わず多くの人々から愛される新海誠監督の作品に携わらせていただくことができ、とても嬉しく思います。そして「雲のむこう、約束の場所」スペシャル・リーディング・オーケストラ・コンサートに出演させていただけることを光栄に思います。
今回はオーケストラと共に朗読劇を演じさせていただけるということで、壮大なステージになることを私自身も楽しみしております。ビジュアル撮影では、レスリー・キー氏と久々のフォトセッションをさせて頂き、映画の原画を投影した素敵な写真ができあがり、とても気持ちがたかぶりました。
上演に向けて作品の世界観を嚙み締めながら演じさせて頂けたらと思います。

原作音楽/天門

「雲のむこう、約束の場所」の音楽を担当いたしました天門と申します。
はやいもので2004年の公開から20年経ちました。
私は長編の劇場作品の音楽を作るのはこの時が初めてで、夏休みを利用して小型飛行機・ヴォラシーを作る劇中の二人の姿に新海監督と自分を重ねながら取り組んでいた事を思い出します。未熟ながら、楽しんで作っていたその頃がとても懐かしいです。
今回、リーディングコンサートという形で取り上げて下さった事、そしてこの作品の音楽がオーケストラの生演奏で蘇る事は私はとてもともて嬉しいです。
まるでヴィラシーラのように、青春時代のあの頃の熱量と共に、舞台の中で高く、遠く、「約束の場所」まで響き渡る事をともて楽しみしています。

原作/新海誠監督

このたび、『雲のむこう、約束の場所』のリーディング・オーケストラ・コンサートが上演されるとのこと。
『秒速5センチメートル』同様、あの頃の自分の憧憬や畏れを思いきり詰め込んだ、当時しか作り得なかった物語です。
それを現在の錚々たるキャスト・スタッフの皆さんに再び新しい形にしていただけることを、心から幸せに思います。
原作となるアニメーション映画は20年前(!)の幼い作品ではありますが、今もまだ知らない新しい感情を、キャストの皆さんからたくさんいただけることをとても楽しみしています。


公演概要
『雲のむこう、約束の場所』
スペシャル・リーディング・オーケストラ・コンサート
原作: 新海誠
音楽監修・テーマ曲: 松任谷正隆
原作音楽: 天門
企画・構成: モトイキシゲキ
配役/出演:
<朗読・歌唱劇> 藤沢浩紀 役 佐藤龍我
沢渡佐由理 役 鈴木愛理(Wキャスト・東京公演)
大原櫻子(Wキャスト・大阪公演)
白川拓也 役 中村⻯大
阿知良芳江 役 観月ありさ
白川美子 役 黒田こらん
橋本昇 役 田中洸希
芦崎慎介 役 Taiyo
笠原真希 役 柏木ひなた
富澤常子 役 紅ゆずる
岡部智之 役 橋本さとし
<演奏> 指揮 村上史昂
管弦楽(フルオーケストラ) グランドフィルハーモニック東京
<東京公演>
2024年11月5日(火) 18:30開演(17:30開場)
2024年11月6日(水) 14:00開演(13:00開場)/18:00開演(17:00開場)
会場: すみだトリフォニーホール
チケット料金: 着席指定S席11,000円 着席指定A席8,800円 (税込み)*未就学児童入場不可。
チケット一般発売日開始: 2024年10月27日(日)10:00~
東京公演お問い合わせ:公演事務局:https://supportform.jp/event(平日10:00~17:00)
※お問い合わせは24時間承っておりますがご対応は営業時間内とさせていただきます。内容によってはご回答までに少々お時間をいただく場合もございます。
<大阪公演>
2024年11月20日(水) 15:00開演(14:00開場)
2024年11月20日(水) 19:00開演(18:00開場)
会場: NHK大阪ホール(大阪府大阪市中央区大手前4丁目1番20号)
チケット料金: 着席指定S席11,000円 着席指定A席8,800円 (税込み)*未就学児童入場不可。
チケット一般発売日開始: 2024年10月27日(日)10:00~
大阪公演お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11時~18時/日曜・祝日休業)
主催: 『雲のむこう、約束の場所』スペシャル・リーディング・オーケストラ・コンサート実行委員会
公式サイト: https://kumonomukou.jp/
公式X: @kumonomukou_jp #雲のむこう