『蜜蜂と遠雷』コンサート開幕! 三浦大知「新しい色を付けてくれる」
直木賞・本屋大賞を受賞した恩田陸原作「蜜蜂と遠雷」コンサートシリーズ第三弾“「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート ~ひかりを聴け~” が8月16日(金)Bunkamuraオーチャードホールにて開幕しました。
本公演は、小説家・恩田陸さんの小説「蜜蜂と遠雷」から生まれた言葉の数々を、歌と朗読などで表現するコンサートシリーズ。
本番を前に囲み取材が行われ、登壇されたのは、三浦大知さん、家入レオさん、松下優也さん、中村 中さん、木村優一さん、湖月わたるさん、黒田こらんさん、そして、指揮・音楽監督を務める千住 明さん。
まずは、それぞれの意気込みからご紹介。
一生懸命ついていきます(松下優也)
「風間塵(かざま じん)という役で出させてもらうんですが、皆さんとコラボで一緒に歌わせていただく楽曲もあったりとか、あとは朗読で風間塵の役どころでお芝居をしていたりしますので、皆さんに一生懸命ついていけるように頑張れたらなと思います」
貴重な経験を歌にする(三浦大知)
「僕は役どころとかはなく、歌を歌わせていただいております。僕自身、オーケストラの皆さんとか素晴らしいアーティストの方と、オーケストラの演奏で一緒に歌わせていただくことはなかなかないので、貴重な経験をしっかり自分の歌にできるように、皆様にパワーをいただきながら一緒に頑張っていきたいと思います」
新しい環境を楽しむ(家入レオ)
「ほんとに素晴らしいアーティストの皆様と、そして、なかなかない、こういうクラシカルなところで自分の曲だったり、皆様と一緒に歌えることはほんとに幸せなことだと思います。原作の栄伝亜夜(えいでん あや)という、ちっちゃい頃に神童と呼ばれながらも母を亡くして、自分と向き合っていくという朗読劇に挑戦することもなかなかないので、新しい環境の中で楽しんでいけたらなと思います」
みんな敵だと思っていた(中村 中)
「原作の中では、高島明石というピアニストがいまして、その女房の役をやります。その高島明石は、他のピアニストと違って、音楽のみで生きているのではなくて、家族のために働いていたりして、ピアノの練習もままならない時もある。そういう人の音楽は人を感動させられないのか、ということを知りたくてコンテストに挑戦するという役なので、それを支える女房として、高島明石を応援できるように朗読ができたらなと思います。私自身、昔、歌の大会とかに出たことがあったんですけど、その時はみんな敵だと思っていたので(笑)、でも、この「蜜蜂と遠雷」に出てくるピアニストたちはみんな反応するんですよ。それぞれの演奏を聴いて。だから、こんな豪華なピアニスト、シンガー、オーケストラたちの皆の歌や音を聴きながら反応しあっていけたらいいなと思います」
とても神々しい(湖月わたる)
「初演に引き続き、ストーリーテラーをさせていただきます。昨日、リハーサルを見させていただいて、初演にはなかったコンサートバージョン、それぞれの歌手の皆さんが持ち歌をコラボレーションしながら歌っておりまして、それをオーケストラの演奏で千住さんが指揮をされて、ピアニストの方の前で歌っている皆さんがとても神々しくて、ほんとにこのコンサートでしか見れないスペシャルなものを聴かせていただいて、早くお客様にも聴いていただきたいと思っています。私の大好きな「蜜蜂と遠雷」という作品。少しでも躍動的に立体的にお客様にストーリーをお届けできるように、心を込めてストーリーテラーをさせていただきたいと思います」
声の高さでカバーします(木村優一)
「マサル・カルロス・レヴィ・アナトールという役をやらせていただきます。本の中では優勝する役で、高身長、大変な美男子、日系三世、ペルー人という、いろんなところがかけ離れているんですけども(笑)、ただ、初演からこの役をやらせていただきまして、今回もいろんなジャンルの方たちが、ひとつの方向に向かって準備していく段階で仲良くなって、本の中でもそうなんですけども、いろんな化学反応が起きて、素敵な音楽を一緒に作れることがとても嬉しいです。身長が足りないので声の高さでカバーしようと思います(笑)」
一生に一度の経験(黒田こらん)
「今回ストーリーテラーとして初めての参加をさせていただくんですけれども、こんな素敵なアーティストさんの中で、私、役者一本でというか、ストレートプレイばかりをやっているんですが、こんなオーケストラの演奏で一番最後にちょっとだけ歌わせていただくんですが、ほんとに夢のような、まず、こんなこと一生のうちで経験できるかっていう経験をさせていただくということで、貴重なことなんですが、そんな中で恩田さんの作品の言葉の美しさだったり、躍動的なところを、たくさん見ていただきたいので、エネルギッシュに、かつ、美しく言葉を大切に表現出来たらなと思っております」
他流試合のような真剣勝負の2時間半(千住 明)
「このコンサートが3回目になるんですけども、昨年1月5月とやってその凝縮した形が、まさかこんなにもバラエティー豊かになるとは思わなかった。いろんなジャンルの音楽が出てきます。それを皆さん対応できるのは本当にすごいと思います。ここで他流試合のように、コンクールのように、みんなの力を出し合って真剣勝負の2時間半、僕もいっぱいいっぱいで頑張りますのでよろしくお願いいたします」
自身の楽曲をコラボレーションすることについて
三浦さんは、「いつもはひとりでやっているので、その中で皆さんが、様々な色、新しい色を楽曲に付けてくださるというのはすごく刺激的」と語るも、「もらうモノばかりというか、皆さんから音楽を通していろんな気持ちを教えていただいているようなとても贅沢な時間」と笑顔で答え、『君がくれた夏』をコラボレーションする家入さんは、「今回、三浦さんや松下さんと歌わせていただいて、こういう解釈もあるんだ。とか、自分の曲の広がりをとても感じた」と、感慨深い様子を見せ、中村さんは、「一人で歌うのもいいんですけど、やっぱり誰かと反応を見合うというのは楽しいし、稽古でだいぶ仲良くなりましたので、そういったところも普段と違う面がそれぞれ見れるのかなと。そのへんを楽しんでいただけたらなと思います」と、意気込みを語り、それぞれのコラボレーションに期待が膨らみます。
そして、稽古でのエピソードについて、三浦さんから夏合宿のようだと・・
「原作がコンクールのお話しなんですけども、皆で最後一緒に歌わせていただくシーンが、ほんとにたくさんのハーモニーがあって、僕たちの声もオーケストラのひとつの楽器のように全部のハーモニーを(千住さんが)考えてくださって。それが、きれいでありとても複雑であり、すごく難しい部分があって。そこをひとつひとつ皆でクリアしていくというか、それがコンクールに向かっていくような。何かわかんないですけど、「優勝するぞ!」みたいな(一同笑い)、そういう気持ちになって。それが夏の合宿みたいですごく楽しかったです」
最後に千住さんからお客様へ向けて・・
「ほんとにたくさんのバラエティーのある音楽のジャンアルの人たちがいて、しかも、育った環境が違うものがひとつになるというのは、こういうことをいうんだということを、こういう新たな挑戦に対しても観て頂きたいと思いますし、真剣勝負の4ステージをどうか、皆様に観て頂きたいと思います」
朗読と歌とオーケストラと。様々な音がひとつとなって作り上げられる”「蜜蜂と遠雷」コンサート”は、ここでしか聴けない音の集合体。
真剣勝負の2時間半を是非、お楽しみいただきたい!
公演は、本日16日から18日(日)まで上演。当日券情報などは公式HPから!http://www.reading-mitsubachitoenrai.com/