「Kappa」を解剖!主演・織山尚大さん×演出・鈴木勝秀さんインタビュー公開!
2021年6月5日(土)より東京・京都にて上演する空想科学劇『Kappa』~芥川龍之介『河童』より~。奇抜な発想・批評力で時代を超えた普遍性を生み出し、日本近代文学の不朽の名作のひとつとされている芥川龍之介晩年の名著『河童』をインダストリアル・ロックと掛け合わせ、演劇として昇華する本作。そんな本作の上演台本・演出を手掛ける鈴木勝秀さんと、主人公・第二十三号を演じる少年忍者/ジャニーズJr.の織山尚大さんにインタビューを決行。稽古がスタートしたお二人のお話から、「Kappa」を解剖すべく、お話を伺いました。ぜひ、ご覧ください♪
本読みが始まりましたが、スズカツさん、織山さんの印象は?
鈴木 織山くんはけっこう考えるタイプの人なので、たぶんいっぱい考えているんだと思う。考えていると、いろいろ壁に当たったり、わからないことが出て来たりすると思うので、それは今一番いいことです。ここで、考えないでやっていればそのうち初日が来るだろうと思っていると、それは主演として責任を取っていく人の姿ではないから。でも、(織山くんは)責任を取っていこうとする気持ちがすごくあるから、織山くんで良かったなと思っています。
織山さんは、まず原作を読まれていかがでした?
織山 読んでみたんですが、ほんとに難しくて。字が。
鈴木 字が?(笑)。
織山 信じられないくらい難しくて(笑)。
(笑)。そんな原作からスズカツさんの台本を読まれていかがでしたか。
織山 (原作から)すごく変わっているなと思いました。スズカツさんの良さがありながらも、原作の良さもあって。中には、宗教や政治といった難しい内容が入っているので、ポンポンと簡単に入ってくるわけではないんですよね。そういったところをスズカツさんと、堅苦しいというよりかは、河童と二十三号との絆をしっかり見せていこうと、お話しをしました。
鈴木 キャスティングが決まって、ビジュアル撮影を見て、そこから芥川龍之介の原作を好き勝手にいじっているんですけど、放っておいても面白くなると思っています(笑)。これは誰にも説明していないんですが、芥川龍之介とニーチェを混ぜて僕の頭の中に入れて出した、そんな本ができたので、けっこう面白いんですよ(笑)。
原作の難しい言葉を会話劇でどのように伝えるのかが気になります。
鈴木 芥川龍之介は、教科書に載っていたりするから難しいとか、勉強を思い起こしちゃうんだけど、そんなことはなくて。僕は、「Kappa」を読んでいても難しいと思っていなくて。難しいと思うことによって、考えることを放棄したり、自分がやることを避けようとする。そうではなくて、積極的に取り組んでいけばそんなに難しいことはないし、今回で言うと、織山くんは踊るし、青木(滉平)くんはトランペットを吹いたりするし、コング(桑田)は歌うし(笑)。踊りも織山くんが自分で考えていて、今まで見たことがないようなことをするかもしれない。自分で「これだ!」ということをやってくれると思います。青木くんは、「トランペット自信あるの?」って聞いたら、「あります!」って言ってましたし。青木くんは、今回の出演者の中で一番演技のキャリアは少ないけど、トランペットだったらこのカンパニーの中で一番うまい。そういった要素もたくさん入ってくるので、観に来て眉間にしわを寄せて…というのではなく、まずはエンターテインメントとして楽しんでもらえたらと思っています。
織山 このコロナ禍という環境の中で、観に来てくれた人たちのひとつの希望になったり、楽しいなと思ってもらえたらいいなと思うんです。だから、面白いと一瞬でも思ってくれるだけで大丈夫。難しいことは言っていますけど、そこまで重く受け取ってもらわなくて大丈夫なので、自分は全力でやってます。
鈴木 「みんなで考えることを放棄するのはよそう!」「ちょっと考える時間があると、人生はけっこう豊かになるぞ!」って思うんです(笑)。そのために、芝居を観たり、絵を見に行ったり、音楽を聴いたり。みんななぜそれをするのかといったら、そこで考える時間ができるから。芝居を観に来てくださると、観ることによっていろいろ考えますし、さらに言えば、それを作る側に回ったときには、もっとたくさん考えてやれるからすごく楽しい。芝居を作ったりするのは。と、僕は思っています。
作るといえば、ビジュアル撮影のときに織山さんが無音ダンスのお話をスズカツさんとされていましたがー。
織山 たしかに無音ダンスの話は最初にしましたよね?
鈴木 そうだね。
織山 なんですけど…この舞台に入れ込むかは、まだほんとにわからなくて。
鈴木 でも入れていいと思うんだけどな。たぶん(稽古を)やっていけば、「ここ!」って思うよ。今、本読みをしてトータルを考えたときに、まだ入れられる時間はあるから。そういったものをどんどん入れて、中身を濃くしていきたいなと思う。無音ダンスとかね、僕けっこう好きなんだよね。
すごくいいですよね。「Kappa」との相性もいい気がします。
織山 もともとは、「ISLAND TV」というジャニーズJr.がやらせてもらっている動画配信があるんですけど、そこで無音で踊ったことがあったんです。そしたら周りからいいねと言ってもらって。僕の中で、無音ダンスをコンサートだけではなく、舞台でやるということはすごく意味があるのかなって思っていて。吐息だったり、足の音だったりが響くのがすごくいいなって。
鈴木 そう。足音ってすごく重要なんですよ、芝居において。音はすごく重要。音楽が掛かってないときほど、そうじゃない音が聴こえるじゃない?それってすごくいろんなことを考えさせるし、臨場感が出てくる。過去にも何回かそういうことをやったことがありますが、面白です。
すごく観たいです。
鈴木 ビジュアル撮影のときの立ち姿を見ていると、体のしなやかさといったものが十分に伝わってくるので、これがこんな風に動いていったら…と、頭の中で想像ができる。僕はダンサーでもないし振付師でもないので、「こうしてね」とも言わないですけど、かと言って(ダンスの)先生も呼んでこないので、織山くんが持っているもの、考えているものを出してみればいい。そしたら、またなにか発見があって、もう一歩先に進むきっかけになるかもしれない。
織山 スズカツさんの本読みも面白いですよ。ただ単に本を読むんじゃなくて、そのときの感情で動きも入ったりして。台本だけ読んでいてもその人がなにを考えているのかってわからないじゃないですか。そういったところでも、自分で考えて作るってすごく面白いなと感じさせてもらっています。
ここまでのお話を聞いて、スズカツさんと織山さんはとても共鳴する部分があるなと思ったのですが、織山さんにとってスズカツさんの存在とはー。
織山 自分の周りでスズカツさんのような考えを持っている人は多くはいないのでとても勉強になります。あと、みんな文字や言葉の意味がわからなかったらすぐに調べるじゃないですか。でも、そういうことじゃなくて。例えば、台本を見て、誰にフォーカスが当たっていて、誰が思ったことを代弁していて…とか、そういうことを考えることに意味があるのに、わからないことはすぐに検索しちゃう。それができちゃう時代も時代ですけど…。だから、こうやって考えている人が周りにいてくれて、コングさんや(市川)しんぺーさんもですけど、稽古に行くのが楽しいですし、その場にいられて幸せだなと思います。みんな真剣で本気でぶつかりにいこうとしているから。ひとつのことに向かってみんなで本気でやっている。だからみんな大好きです。スズカツさんのこと大好きです(笑)。
鈴木 あはは(笑)。
スズカツさん、本作の見どころポイントをお願いします。
鈴木 芥川龍之介の作品ですけど、チラシにあるように、もう、“織山!!”。
あはは(笑)。インパクトのあるビジュアルですよね。
鈴木 もう、これすごく気に入ってるんです(笑)。織山をまず見てください。そしたら内容もスッと入ってきます。
では織山さん、最後にお客さまへメッセージをお願いします。
織山 先ほども言いましたが、難しく捉える方もいらっしゃると思うんですけど、この時代にハッピーになってもらうというか、「ただ楽しい」「生きよう!」ということが伝われば、この「Kappa」は大成功です。そのためにも、僕たちも本気で作っていきますので、楽しみにしていてください。
織山尚大さん、鈴木勝秀さん、ありがとうございました!
公演概要
空想科学劇『Kappa』~芥川龍之介『河童』より~
【出演】織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.)/青木滉平(少年忍者/ジャニーズJr.)/ 木ノ本嶺浩、川口 龍、市川しんぺー、コング桑田
【原作】芥川龍之介
【上演台本・演出】鈴木勝秀
【日程・会場】
<東京公演>2021年6月5日(土)~6月13日(日)品川プリンスホテル ステラボール
<京都公演> 2021年6月25日(金)~6月27日(日)ロームシアター京都サウスホール
【チケット料金】全席指定 9,000円(税込)
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
【一般発売日】好評発売中!
【お問合せ】
<東京公演>キョードー東京 0570-550-799 (オペレーター平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)
<京都公演>キョードーインフォメーション:0570-200-888(平日・土曜 11:00~16:00)
【公式HP】 https://kappa-stage.com/
【公式twitter】@Kappa_Stage