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井上芳雄主演「首切り王子と愚かな女」開幕!観劇レポート公開!

舞台上で繰り広げられるダークファンタジー
井上芳雄主演「首切り王子と愚かな女」開幕

井上芳雄が主演を務めるパルコ・プロデュース「首切り王子と愚かな女」が、昨日6月15日に東京・PARCO劇場で開幕。劇作家・演出家の蓬莱竜太と井上が約6年ぶりにタッグを組み、挑む“大人の寓話”だ。その他、テレビ、映画で引っ張りだこの注目の女優・伊藤沙莉、圧倒的な存在感と魅力を放つ若村麻由美ら個性的な出演陣が彩る。

物語は、雪深い王国“ルーブ”を舞台に、女王デン(若村麻由美)は、溺愛する第1王子ナルが病に倒れた後、悲しみのあまり国政を放棄。民たちの反乱を鎮圧すべく、幼い頃に“呪われた子”とされ、城から遠ざけられた第2王子トル(井上)が呼び戻され、反乱分子を次々に処刑。“首切り王子”と恐れられるようになっていた。そして、とある日、自ら死のうとしていた娘ヴィリ(伊藤沙莉)に出会う。死を恐れないその姿に興味を抱いたトルは、自分の召使いになるよう命じた・・。

劇場内に足を運び入れるとそこは既にステージと同じ空間に感じられるような、舞台美術。舞台上に可動式の木組みの台が敷き詰められ、想像が膨らむその舞台に、まるで溶け込むようにすっと物語がはじまる。照明と演技、巧みに動く台が、想像力をさらに高め、景色が見え、空気を感じる舞台となっていた。

ダークファンタジーという世界の中、少しずつ距離を近づけるトルとヴィリの真っ直ぐで不器用なやりとりや、運命に翻弄され自身の愛を計りかねる女王であり母であるデンの姿に、どんどんと吸い込まれる。登場人物それぞれの想いが錯綜し、陰謀、裏切り、愛憎が舞台上に広がっていく。異世界体験に飲み込まれていった。

ゲネプロ前には取材会が行われ、井上と伊藤、若村、そして作・演出の蓬莱が出席。蓬莱は「こういう時代だからこそ、劇場にいる間は異世界にいるような感覚を味わってほしいという気持ちがあった」と本作に取り組み、「芳雄くんはいいやつなので、普段と正反対の彼を見せたかった。沙莉ちゃんは小さい体にすごいエネルギーを秘めています。そんな2人が格闘するシチュエーションを作りたいと思ったら、悲惨な話になりました……」と笑い交じりに明かした。井上は、「王子役の集大成のつもり(笑)。まあもうそんなに“王子”のオファーも来ないですが……」と笑いを誘いつつ、「結末で2人(トルとヴィリ)が下す決断には、今の年齢だからこそ自分を重ねた。演劇でも、下の世代に託していかなくては」と述べた。約4年ぶりに舞台に立つ伊藤は「シンプルに吐きそう(笑)」と記者たちを笑わせながら、「とても大切で大好きな作品になりました。こういうご時勢だからこそ、たくさんの方に観ていただきたいです。精一杯がんばります」と力強く語った。若村は「人とお別れする機会が多い時代。作品を通して命について改めて考えさせられます」と語った。

公演は7月4日までPARCO劇場、10・11日に大阪・サンケイホールブリーゼ、13日に広島・JMSアステールプラザ 大ホール、16・17日に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて行われる。


【公演概要】
「首切り王子と愚かな女」
【出演】
井上芳雄 伊藤沙莉
高橋努 入山法子 太田緑ロランス 石田佳央 和田琢磨
小磯聡一朗 柴田美波 林大貴 BOW 益田恭平 吉田萌美
若村麻由美
【日程・会場】
<東京公演>2021年6月15日(火)~7月4日(日)PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)
<大阪公演>7月10日(土)~7月11日(日) サンケイホールブリーゼ
<広島公演>7月13日(火)JMSアステールプラザ 大ホール
<福岡公演>7月16日(金)~7月17日(土)久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【作・演出】蓬莱竜太
【公式サイト】https://stage.parco.jp/