「演出家席で号泣」新納慎也演出家デビューミュージカル『HOPE』本日開幕!
2021年10月1日(金)~17 日(日)まで下北沢・本多劇場にてMusic『HOPE』が上演する。韓国芸術総合学校の卒業制作として2017年に誕生し、2019年に韓国で初演された本作は、著名作家の遺稿の所有権をめぐって長きにわたり実際にイスラエルで起こった裁判をモチーフに描いたミュージカル。その日本版となる今回の上演では、俳優の新納慎也が初めて演出を担当し、ホープ役を高橋惠子、原稿を“擬人化”した存在であるK役を永田崇人と小林亮太が演じる。
公演初日を迎えた1日、同劇場にてプレスコールが行われ本番さながらの熱のこもった芝居を披露した。プレスコール後の取材会には、高橋惠子、永田崇人、小林亮太、そして新納慎也が登壇。質疑応答が行われた。
――新納慎也さん、初日に向けての今の思いや手応えは?
新納:「昨日の舞台稽古の時点で演出家席で号泣しましたので、あとは“早く本番が観たい!”というお客様と同じ気持ちです。ワクワクが止まらないです」
――演出は大変でしたか?
新納:「大変ですけどとても楽しかったです。役者の皆さんもスタッフの皆さんもとても協力的で、演出家に歯向かう大女優もいなかったですし(笑)、とても平和な稽古場でした」
――キャストに皆さんにお伺いします。稽古場での印象的な出来事があったら教えてください。
高橋:「私も初めてのミュージカルでしたので、演出家が新納さんじゃなかったからできなかったんじゃないかというくらいとても分かりやすく細やかに教えてくださいました。役者をやっているからこそ、役者の気持ちとミュージカルを初めてやる素人の私の気持ちを汲んでくださり、本当にわかりやすく教えてくださったのがとてもありがたかったです」
永田:「惠子さんも今仰ったんですけど、新納さんも普段俳優さんなので、稽古では自ら歌ってみせてくれて。こうやってやるんだぞって。そういうのがとても印象的でほんとにやりやすいというか―」
高橋:「すごく向いてると思う。演出家に」
新納:「そうなんです(笑)」(一同笑い)
高橋:「そう思いました(笑)これからどんどんやってください」
――小林さんはいかがですか?
小林:「そうですね。新納さんが持つ空気感が場を明るくしてくれて稽古場でもピリつくこともなかったです(笑)。言葉を大事にされている方だからこそ丁寧な演出だったり、例えも新納さんはとても楽しそうに例えるんですけど、座組だれも分からないとかたまにあったりて(笑)。でもそういうユーモアがすごく演出家として素敵な方だなと感じてました」
――新納さんはどんな例え演出をされるんですか?
新納:「どんな風なこと言ったんだろう?僕はみんなにわかりやすく例えたつもりなんですけど、座組がキョトンとして終わるっていうのが結構ありました」
――高橋さんはミュージカル初主演ということですが、改めて大変だったことやストレートプレイと違ったことなど教えてください。
高橋:「ミュージカルをやっている役者さんはほんとにすごいなと改めて思いました。歌って踊って・・わたし踊りはほとんどないんですけど、芝居をして。音楽の間奏の間に芝居を終わらせなきゃいけないとか。普通のストレートプレイとは違う要素がいっぱいあって。でも音楽って素晴らしいなって改めて思いました。言葉だけでは伝わらないことが音になることで見ている方に伝わることもありますし、ハーモニーの素晴らしさや動きによって表現できる。ほんとにミュージカルの素晴らしさを改めて実感しました」
――ミュージカルにハマりそうですか?
高橋:「ハマるか・・どうかですけども(笑)、でもちょっとレッスンを重ねてまた出られるように整えておきたいなと思います」
――“K”のお二人に今回のお互いの印象と、Wキャストで良かったなと思うことを教えてください。
永田:「亮太は見てわかるように優しさが溢れ出てる子なので、なんていうんだろ・・よく惠子さんが言われるのは、僕がガキで・・僕の方が5つくらい年上なんですけど。亮太の方がお父さんだって。僕は納得してなんですけど(笑)、すごくほんとに優しくて、僕が少し遅れて稽古に合流にしたときも一個一個丁寧に教えてくれたり、ほんとに心優しくて・・」
高橋:「ちょっと肌寒い日に上着を忘れてきたとき「亮太、ちょっと羽織るものない?」って借りたりして(笑)。ほんとに仲が良い。」
永田:「ほんとに優しくしていただいてます(笑)」
小林:「僕はWキャストって初めてだったので、稽古が入るまですごく怯えていた部分や、同じ”K”を作る身としてどんな心境になるんだろうと思っていたんですけど、稽古を交互に行うなかで発見できることがものすごくありました。お互いが気付いたことを帰りながら話したり、お互いの演技を見て“昨日のあそここうだったよね”とか話ができる相手がいてくれるというのは心強いなと思います。感謝してます」
永田:「え。そんだけ?もっと言ってくれていいよ」
高橋:「そんだけ(笑)」
永田:「あっ。そんだけ。」
新納:「楽屋では一番うるさいです(笑)」
――最後に意気込みとお客さまへのメッセージをお願いします。
高橋:「このMusic『HOPE』という作品は、ほんとに奥が深いと言いますか、稽古をしていてふと思ったんですけど、これは私が生まれる前からこの作品をやるんだって決めてきたんだって、思ったんです。それくらい私にとってやらなければならない作品。これはユダヤ人の役でそういうユダヤ人だったということの辛さとか悲しみとかそういうものを私は訴えたかっただろう、世に。裁判中にホープの過去を振り返ってえぐられるようなことがあるんですけど、その度によく新納さんが「これはセラピーみたいに浄化されるだって。裁判を受けていく中でホープは浄化されていく。そして最後に新しく旅立っていく」と仰っていて。そのことが自分にとってもまた観てくださる方にとっても何か希望になっていただけたらいいなと思っております。ぜひ、観ていただきたいと思います」
永田:「“HOPE”というタイトル通りこの作品を観て、何か希望を感じていただけたらと思います。新しいことに挑戦することって勇気がいると思うんです。僕もミュージカルはあまりやったことがないので今回自分の中でチャレンジだったんですけど、そういう何かやってみたい、何か頑張ってみたいなという人の背中を押してくれる作品になっていると思います。チケット代は9,800円(税込)となりますので、ぜひ、劇場に足を運んでください(笑)。よろしくお願いします。」
小林:「僕もKとしてこの歴史ある本多劇場でこの作品を上演できることを自分の中で大事にしながら、日々皆さまの心を浄化できるように愛を持ってこの作品をお届けしたいと思います。緊急事態宣言も明けて当日券も売っているとのことなので、下北沢に来て舞台を観たいと思って当日券があるのはすごく嬉しいことだなと思うので、お時間があればぜひ、足を運んでいただけたらと思います。よろしくお願いします。」
新納:「僕は去年の4月、突如緊急事態宣言が出るぞというときにこの舞台上にいたんです。恐らく全部で20数回公演だったんですけど、4回しかできないまま”不要不急”という言葉で舞台を終えるしかできなかったんですね。それがこの本多劇場だったんです。こういう形でカムバックできたことに今すごく感慨深く思ってます。しかもずっとやりたかった演出という形で。『HOPE』はエヴァ・ホープという女性の物語です。ホープの人生を見ていると、生きるということをすごく感じます。生きることの大切さとか、どう生きるかとか。特に多くの方が亡くなったこのコロナ禍で、未だこの先どうなるかも未だわからない世の中、そのメッセージはより伝わってきます。緊急事態宣言も解除されましたので今こそ心を動かしに・・と僕はよく言いますが、もちろん動画やテレビで映画を見るのも大変心は動きますが、やっぱり劇場で生の人間が、生の声で、生の呼吸で演じ、みんなが同じ空間でそれを味わうというのは劇場特有のことなので、僕はこれが一番心が動くと思うんです。自粛自粛でなかなか心を動かすことも自粛を強いられている生活ですが、心を動かすというのは人間が唯一得た特権です。ぜひ、心を動かしに劇場に足を運んでいただきたいと思います」
Music『HOPE』は、2021年10月1日(金)~17 日(日)まで下北沢・本多劇場にて上演。なお公演限定でライブ配信も決定。詳しくは公式HP(https://www.musical-hope.com)を参照。
公演概要
Musical『HOPE』
Book & Lyrics by Kang, Nam Composer & Arrangement by Kim, Hyo-Eun
Original Production by R&D Works
【出演】高橋惠子 永田崇人・小林亮太(W キャスト)/清水くるみ 白羽ゆり/中山昇 縄田晋 染谷洸太 木暮真一郎/上山竜治/大沢健
【上演台本・訳詞・演出】新納慎也
【振付】 木下菜津子
【音楽監督】 落合崇史
【日程・会場】2021年10月1日(金)~10月17 日(日)下北沢本多劇場
【チケット発売日】 2021 年 8 月 7 日(土)
【チケット料金】 9,800 円(全席指定・税込)
【お問合せ】 atlas/ticket2@g-atlas.jp
【公式HP】 https://www.musical-hope.com
【公式Twitter】 @MusicalHOPE2021